ギリシャ神話の地図
ゼウス父アキレウス宿敵アルテミス双子のきょうだいヘルメス弟アスクレピオス息子レト母カッサンドラ言い寄った相手パトロクロス討った相手
腕を伸ばして立つ、ベルヴェデーレのアポロン。

アポロン

Ἀπόλλων神

腕を伸ばして立つ、ベルヴェデーレのアポロン。 『ベルヴェデーレのアポロン』 作者不詳 写真は2009年 ヴァティカン美術館(ピオ・クレメンティーノ美術館)。写真 Marie-Lan NguyenPublic domain

アイネイアスの漂流1 / 14

アメリカが1960年代に進めた有人月飛行計画は、「アポロ計画」と名づけられた。名を提案した担当者についてNASAの年表は、アポロが太陽の神で、金の戦車で毎日太陽を引いて天を渡ったと書き添えている。けれど、いちばん古いギリシャの詩を読むかぎり、アポロンは太陽の神ではない。弓の神、疫病の神、神託の神、そして竪琴を奏でる音楽の神である。

そのアポロンの矢が最初に倒したのは、人間ではなく騾馬と犬だった。

トロイア戦争のさなか、ギリシャ軍の総大将アガメムノンが、アポロンに仕える神官の娘を捕虜として手放さず、身代金を持って頼みに来た老父を追い返した。神官は仕える神に祈った。アポロンは怒りを胸にオリュンポスを下り、夜のように陣営へ近づくと、銀の弓で矢を放ちはじめる。まず騾馬と犬が倒れ、次に人間が倒れた。疫病の矢は九日間続き、火葬の薪が絶えることはなかった。ギリシャ最強の戦士アキレウスとアガメムノンの争いは、ここから始まる。

アポロンはゼウスと女神レトの子で、狩りの女神アルテミスとは双子のきょうだいにあたる。

生まれるまでが難儀だった。『アポロン讃歌』によれば、身重のレトはどの土地に頼んでも、恐ろしい神を産む場所になるのを拒まれた。どの土地も震えおののき、アポロンを迎える勇気を持たなかった。受け入れたのは、岩だらけの小島デロスだけだった。ここに神殿を建てる、という誓いと引き換えである。レトは九日九夜苦しんだ。出産の女神がようやく島に着くと、レトは棕櫚の木に腕をかけ、柔らかな草地に膝をついて子を産んだ。足もとの大地がほほえんだ、と讃歌は語る。

成長したアポロンは、神託所を開く土地を探してデルポイにたどり着く。そこの泉では大蛇が暴れていた。アポロンはこれを矢で射殺し、死骸はその場で日にさらされて腐っていった。アイスキュロスの劇では、デルポイの神託所は大地の女神から代々の女神たちに受け継がれ、最後にアポロンに贈られたことになっている。

弓を手にしたアポロンと、矢に倒れた大蛇。
弓を手にしたアポロンと、矢に倒れた大蛇。『アポロンとピュトン』 J・M・W・ターナー 1811年Public domain

生まれたばかりの弟に一杯食わされた話もある。『ヘルメス讃歌』では、生まれたその日に揺りかごを抜け出した赤子ヘルメスが、アポロンの牛を盗み出す。二人の争いは、ヘルメスが亀の甲羅で作った竪琴をアポロンに差し出して収まった。竪琴を奏でるアポロンの姿は、ここにさかのぼる。『神統記』にも、地上に歌い手や竪琴弾きがいるのはムーサたちとアポロンのおかげだ、とある。

風景の中で、弟の神が兄アポロンに竪琴を差し出す。クロード・ロランの素描をもとにしたアーロムの版画(1777年)。
風景の中で、弟の神が兄アポロンに竪琴を差し出す。クロード・ロランの素描をもとにしたアーロムの版画(1777年)。『メルクリウスがアポロンに竪琴を与える風景』 リチャード・アーロム(クロード・ロランの素描による版画) 1777年 アムステルダム国立美術館CC0

トロイアとの因縁は、戦争よりずっと古い。『イリアス』でポセイドンが振り返るところでは、二人の神はかつてゼウスの命で当時のトロイアの王に1年間仕えた。ポセイドンは城壁を築き、アポロンはイダ山で牛を飼った。ところが期限が来ると、王は約束の報酬を払わず、手足を縛って遠い島に売り飛ばす、耳を削ぎ落とすと脅して二人を追い払った。それでもトロイア戦争で、アポロンはトロイアの側に立つ。

戦場のアポロンは容赦がない。アキレウスの鎧を借りて城壁に迫ったその親友を、霧に身を隠して背後から打ち、兜と槍と楯を叩き落とした。とどめを刺したのはトロイアの勇将ヘクトルだが、実際に倒したのは神である。そのヘクトルにも、アポロンは何度も力を吹き込んで戦わせた。だがアキレウスとの一騎打ちの日、ゼウスが天秤に二人の死の運命を載せると、ヘクトルの側が冥界へ沈んだ。その瞬間、アポロンは彼のもとを去った。死に際のヘクトルは、アキレウスもいずれ城門の前で、パリスとアポロンに討たれるだろう、と予言した。アキレウスの死そのものは『イリアス』には描かれない。今は失われた別の叙事詩が語っていた。

人間に罰を下す神でもある。子だくさんを誇って母レトを見下したある王妃の息子たちは、アポロンの矢で射殺された。女神アテナが捨てた笛を拾った男が、アポロンに音楽の勝負を挑んだ。勝った者が負けた者を好きにしてよい、という約束だった。アポロンは竪琴を逆さにして弾き、同じことをしてみろと迫る。笛ではできない。負けた笛吹きは高い松の木に吊るされ、皮を剥がれた。

母を見下した王妃の子どもたちを、矢で襲う双子の神。ダヴィッドの絵(1772年)。
母を見下した王妃の子どもたちを、矢で襲う双子の神。ダヴィッドの絵(1772年)。『ニオベの子らを襲うアポロンとディアナ』 ジャック=ルイ・ダヴィッド 1772年 ダラス美術館Public domain

恋の話は、ことごとくうまくいかない。愛の神エロスの弓の腕を嘲ったばかりに恋の矢を射込まれ、追いかけたダプネは月桂樹に変わった。予言の力を与えて言い寄ったトロイアの王女カッサンドラには拒まれ、アポロンは「誰にも信じてもらえない」という呪いを加えた。愛した少年ヒュアキントスは、自分の投げた円盤に当たって死んだ。

逃げるダプネに追いすがるアポロン。
逃げるダプネに追いすがるアポロン。『アポロンとダプネ』 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 1908年Public domain

息子アスクレピオスは医術の神になったが、死者まで生き返らせたためにゼウスの雷で打ち殺された。怒ったアポロンは雷を鍛えた一つ目の巨人キュクロプスたちを殺し、その罰として、ギリシャ北部テッサリアの王のもとで1年間、人間の牛飼いとして働いた。

デルポイの神託は、人間の運命にも深く入り込んでいく。オイディプスの父にあたるテーバイの王には「息子に殺される」と告げ、アガメムノンの息子には、父を殺した母への復讐を命じた。母を殺した息子が復讐の女神たちに追われると、アポロンはアテナイの法廷に立って彼を弁護している。

では、アポロンが太陽の神だと言われるようになったのは、いつからなのか。『イリアス』『オデュッセイア』や『神統記』の中では、太陽はまったく別の神の役目である。

この物語の出典: ホメロス『イリアス』、ヘシオドス『神統記』、作者不詳『ホメロス風讃歌』、アルクティノス(伝)『アイティオピス』、ピンダロス『祝勝歌集』、アイスキュロス『オレステイア三部作(アガメムノン・供養する女たち・慈しみの女神たち)』、エウリピデス『アルケスティス』、オウィディウス『変身物語』、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』、アメリカ航空宇宙局『NASA公式サイト』、アメリカ航空宇宙局(NASA)『NASAグレン研究センター「Silverstein on Apollo Naming (1962)」』

この物語の人々

ローマ以後の語り

ダプネを追い、彼女が月桂樹に変わって月桂冠がアポロンの木となる話はオウィディウスで語られる話で、ホメロス・ヘシオドスには見えない。

オウィディウス『変身物語』 8年頃

ローマ神話ではアポロンに固有の対応神がなく、名も Apollo のまま取り入れられた。主要なオリュンポス神でローマ名が別に無いのは珍しい。ローマでの受容は輸入神としてのもので、前433年の疫病に際して誓願された「医神アポロ(Apollo Medicus)」の神殿が最初の神殿とされる。

リウィウス『ローマ建国以来の歴史』 前1世紀末、ウェルギリウス『アエネイス』 前19年頃

もっと詳しく

『イリアス』は、アガメムノンに娘を返してもらえなかった神官クリュセスの祈りにアポロンが応え、銀の弓で九日間ギリシャ軍に疫病の矢を射る場面から動き出す。まず騾馬と犬、次に人間が倒れる。

ホメロス『イリアス』 前8世紀頃

トロイアの城壁に三度挑むパトロクロスを四度目に叱りつけて退け、霧に隠れて背後から打ち、兜・槍・楯を落とす。エウポルボスが槍を入れ、最後にヘクトルが止めを刺す。実質的に神が殺している。

ホメロス『イリアス』 前8世紀頃

アキレウスの死は『イリアス』には描かれない。死に際のヘクトルが「パリスとポイボス・アポロンがお前をスカイア門で殺すだろう」と予言するのみで、実際の場面は失われた叙事詩『アイティオピス』や後代の作品で語られる。

ホメロス『イリアス』 前8世紀頃、アルクティノス(伝)『アイティオピス』 前7世紀頃、クイントゥス・スミュルナイオス『ホメロス後日譚(ポストホメリカ)』 3〜4世紀

残り4件を読む

身重のレトはどの土地にも受け入れを拒まれ、岩だらけの小島デロスだけが「神殿を建てる」という誓いと引き換えに受け入れた。レトは九日九夜苦しんだ末に棕櫚の木に寄りかかって産んだ。

作者不詳『ホメロス風讃歌』 前7〜6世紀頃

デルポイの泉で暴れていた大蛇(讃歌では雌)を矢で射殺した。その死骸が太陽に「腐った(πύθειν)」ことから土地はピュトーと呼ばれ、神もピュティオスと呼ばれる、と讃歌自身が説明する。

作者不詳『ホメロス風讃歌』 前7〜6世紀頃

カッサンドラに予言の力を与えて言い寄ったが拒まれ、「誰にも信じてもらえない」という呪いを加えた。ホメロスはカッサンドラを美しい王女として挙げるだけで、予言者としては描かない。

ホメロス『イリアス』 前8世紀頃、アイスキュロス『オレステイア三部作(アガメムノン・供養する女たち・慈しみの女神たち)』 前458年、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃

アポロンを太陽神とするのは後代の同一視で、ホメロス・ヘシオドスでは太陽はヘリオスという別の神である。確実にたどれる最古の同一視はエウリピデス『パエトン』の断片で、クリュメネーがヘリオスに「人が正しくもアポロンと呼ぶあなた」と呼びかける(名を「滅ぼす者」と解く語呂合わせ)。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃、ヘシオドス『神統記』 前700年頃、エウリピデス『パエトン(断片)』 前5世紀後半

ほかのつながり(33人)

家族・恋愛

敵対・殺害

  • エリニュス敵対

    『慈しみの女神たち』179-234 オレステスを守るアポロンと言い争う

  • エロス敵対

    1.452-473 弓の腕を嘲ったアポロンに、恋を起こす金の矢を射込み、ダプネには恋を拒む鉛の矢を射る

  • ミダス敵対

    Met. 11.172-179 音楽比べの判定に異を唱え、耳をロバの耳に変えられる

  • ニオベ敵対

    『イリアス』24.605-606 息子たちを射殺す / Met. 6.218-266 / 3.5.6

  • タナトス敵対

    24-76 アルケスティスを迎えに来たタナトスとアポロンが言い争う

  • ピュトン殺された側

    『アポロン讃歌』357-374、『変身物語』1.441-444、『神話集』140、アポロドーロス1.4.1

仲間・師弟

  • クマエのシビュラ仕える者

    6.9-12 アポロンが心を吹き込む予言者。6.35「ポイボスとトリウィアの巫女」、6.77-101 神がかりの様子

  • アンピアラオス仲間

    15.244-246「アイギスを持つゼウスとアポロンがあらゆる愛で愛した」

  • ヘクトル仲間

    15.236-262(力を与える)、22.213(ついに見捨てる)

  • ポセイドン仲間

    21.441-457。共にラオメドンに仕えトロイアの城壁を築いた

  • クリュセイス仲間

    1.8-52。神官クリュセスの娘。彼女の返還を拒んだアガメムノンにアポロンが疫病を送る

  • キニュラス仲間

    『ピュティア祝勝歌』2.15-16「金髪のアポロンが心から愛した」。寵愛の関係で、恋人かどうかは書かれていない

  • ムーサ仲間

    94-95 歌い手や竪琴弾きが地上にいるのは、ムーサたちと遠矢のアポロンのおかげ

  • オケアニス仲間

    『神統記』346-348 アポロンや河神たちとともに若者を育てる役目をゼウスから与えられている

  • テミス仲間

    『慈しみの女神たち』1-8 ではガイア→テミス→ポイベ→アポロン(ポイボス)の順にデルポイの神託所が受け継がれる。アポロドロス 1.4.1 でもアポロンが来たときにはテミスが神託を下していた

  • パン師

    1.4.1 アポロンはパンから予言の術を学んだ

  • ヘラクレス贈られた側

    2.4.11 アポロンから弓と矢を贈られる(のちピロクテテスに渡る弓)

  • アスカニウス助言を受けた側

    9.638-658 初めての手柄を立てた少年をアポロンがほめ、それ以上戦うなと諭す(「かくして人は星々に至る」9.641)

  • ケライノ助言を受けた側

    3.251-252 全能の父がポイボスに、ポイボス・アポロンが自分に告げた予言だと言う

  • ライオス助言を受けた側

    デルポイの神託。『七将』745-749 / OT 711-714 /『フェニキアの女たち』17-20

  • マイア訪れられた側

    「ヘルメス讃歌」233-251 牛を探しにキュレネの洞窟へ来る

  • オリュンピア訪れられた側

    5.7.10 勝者の記録にアポロンの名

  • オリュンポス十二神構成員を持つ集団

    エンニウスの詩句(アプレイウス『ソクラテスの神霊について』2)とリウィウス22.10.9 のローマの十二柱。ギリシャの神に対応させた

出来事・場所・物

今の言葉に残る

アポロ計画 / Apollo programNASAの有人月飛行計画。1960年、NASAのエイブ・シルヴァースタインがこの名を提案した。ギリシャ神話の神の名で響きがよく、神話の神や英雄の名を宇宙計画に付ける前例も、神々の使者の名を採ったマーキュリー計画でできていたからだという。NASAの年表は、アポロが太陽の神で、金の戦車で毎日太陽を引いて天を渡ったと書き添えている。

アポロン的・ディオニュソス的(Apollonian, Dionysian)ニーチェが『悲劇の誕生』で説いた、芸術を動かす二つの衝動の呼び名。アポロン的は、知的で静か、秩序と調和のとれたまとまりを目ざすさま。対になるディオニュソス的は、陶酔的で激情的、ものを生み出す力にあふれたさまをいう。神託と音楽の神アポロンと、葡萄酒と熱狂の神ディオニュソスの名から。国語辞典では「アポロ的」「ディオニュソス的」の見出しで載る。英語の形容詞 Apollonian は1660年代、Dionysian は1600年ごろから、もとは「その神に関わる」という意味で記録がある。

アポロステーション / 出光のアポロマーク出光興産は2020年6月、ガソリンスタンドの名前を2021年4月から「apollostation(アポロステーション)」にそろえる、と発表した。出光興産の発表によると、会社とスタンドに共通のアイコンは、ギリシャ・ローマ神話の太陽神アポロをモチーフにしている。アポロには「理想の人の姿」という意味合いがあり、「人が中心の経営」を掲げる会社の目指す姿に合うから、というのが公式の説明である。道路沿いで毎日のように目にする看板のマークは、ギリシャの神様だった。

からす座・コップ座・うみへび座 / Corvus, Crater, Hydra国立天文台の一覧で、88星座の中でいちばん面積が大きいのは、長い体の水蛇をかたどったうみへび座である。その背中の上に、からす座(烏座)とコップ座が乗っている。この三つは一つの話でつながっている。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、アポロンがいけにえを捧げるとき、自分が目をかけていたカラスを、清い水を汲みに泉へやった。ところがカラスは途中で、まだ青いイチジクの木を見つけ、熟すのを待って枝にとまりこんだ。何日もたって実が熟し、それを食べてから、ようやく水の入った鉢を持って急いで戻ってきた。待たされたアポロンは別の水を使うはめになり、罰として、イチジクが熟すあいだカラスが水を飲めないようにした。そのカラスの渇きを示すために、アポロンは鉢と、カラスを鉢に近づけまいとする水蛇を星にした、という。コップ座の Crater はギリシャ語でぶどう酒を水で割るための大きな鉢のことで、語源辞典によれば、火山の噴火口や月の表面の穴を「クレーター」と呼ぶのも、この言葉から来ている。同じ本は、カラスはもとは白かったが、アポロンの恋人の浮気を告げ口して、黒くされたという話も伝えている。

リセ / ライシーアム / lycée・lyceumフランスの高校にあたる学校をリセ(lycée)と呼ぶ。フランス語を経てラテン語の Lyceum にさかのぼる言葉で、英語でも「リセ」の意味では1865年から使われている。そのもとは古代アテネの東の郊外にあった木立と運動場の名リュケイオンで、アリストテレスはここで教えた。場所の名は、近くに神殿があったアポロンの呼び名「リュケイオス」から取られている。この呼び名はおそらく「狼の」という意味、あるいはそう受け取られていた言葉で、なぜアポロンが狼と結びつくのかについての言い伝えは、はっきりしなくなっているという。英語の lyceum は1580年代から見え、19世紀には文学協会や、公開講座を開く施設の名にもなった。プラトンの学園がアカデミーの語源になったのと、ちょうど対になる話である。

アポロチョコ / 明治「アポロ」三角形のチョコ菓子「アポロ」は、1969年8月7日に明治から発売された。あの形は、同じ年の7月に人類初の月面着陸を果たした宇宙船アポロ11号をかたどったものだと、明治は公式に説明している。ところが名前は宇宙船から取ったのではない。明治がお菓子の名前として「アポロ」を登録したのは月面着陸より前で、由来はギリシャ神話の神アポロンだという。形は宇宙船、名前は神様。宇宙計画のほうもアポロンにちなんで名付けられているので、行き着く先は同じ神になる。

シャクヤク・ボタン / peonyシャクヤクやボタンの仲間を英語でピオニー(peony)と呼び、学名もパエオニア(Paeonia)という。語源辞典によれば、ラテン語 paeonia、ギリシャ語 paiōnia から来た言葉で、おそらく神々の医者パイエオン(癒やし手としてのアポロンの呼び名でもある)の名にちなむ。根や花や種が薬として使われていたことから付いた名だという。『イリアス』には、この神々の医者が、ヘラクレスの矢を肩に受けた冥界の王ハデスや、戦場で傷を負った軍神アレスの傷に、痛みを鎮める薬草を塗って治す場面がある。

呼び名の話

星座になった話

次に読む

このページの出典(24件)
  1. 前8世紀頃ホメロス『イリアス』
  2. 前8世紀頃ホメロス『オデュッセイア』
  3. 前700年頃ヘシオドス『神統記』
  4. 前7世紀頃アルクティノス(伝)『アイティオピス』
  5. 前7〜6世紀頃作者不詳『ホメロス風讃歌』
  6. 前5世紀前半ピンダロス『祝勝歌集』
  7. 前467年上演アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』
  8. 前458年アイスキュロス『オレステイア三部作(アガメムノン・供養する女たち・慈しみの女神たち)』
  9. 前438年上演エウリピデス『アルケスティス』
  10. 前430年頃ヘロドトス『歴史』
  11. 前429年頃上演(推定)ソポクレス『オイディプス王』
  12. 前5世紀後半エウリピデス『パエトン(断片)』
  13. 前412年エウリピデス『ヘレネ』
  14. 前410年頃上演エウリピデス『フェニキアの女たち』
  15. 前1世紀パルテニオス『恋の苦しみ(エロティカ・パテマタ)』
  16. 前1世紀末リウィウス『ローマ建国以来の歴史』
  17. 前19年頃ウェルギリウス『アエネイス』
  18. 8年頃オウィディウス『変身物語』
  19. 8年頃(未完)オウィディウス『祭暦』
  20. 1〜2世紀頃アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』
  21. 1〜2世紀頃ヒュギヌス『神話集(ファブラエ)』
  22. 2世紀パウサニアス『ギリシア案内記』
  23. 2世紀アプレイウス『ソクラテスの神霊について』
  24. 3〜4世紀クイントゥス・スミュルナイオス『ホメロス後日譚(ポストホメリカ)』