星座になった神話

アルゴ座の神話

Argo

金の羊毛を求めた英雄たちの船アルゴは、海に出た最初の船として空に上げられた。ただし星になったのは、船の後ろ半分だけである。

海に出た最初の船

アルゴ座は、英雄イアソンたちが金の羊毛を求めて乗り込んだ船、アルゴ船の星座である。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、アルゴという名は、ギリシャ語で「速い」ことから付いたという人もいれば、船を造ったアルゴスという男の名から来たという人もいた。

ローマ期天文譜

多くの人は、この船こそ海に出た最初の船で、だからこそ星の形にされたのだと言っていた、とヒュギヌスは書いている。

ローマ期天文譜

どこで造られたのか

船が造られた場所についても、言い伝えはいくつもあった。詩人ピンダロスは、マグネシアのデメトリアスという町だとした。詩人カリマコスは、同じあたりの、アポロンの神殿のそばだとする。英雄たちが船出のときに建てたと考えられていた神殿で、その場所はパガサイと呼ばれた。アルゴ船が初めて組み上げられたのがここで、ギリシャ語の「組み上げる」から名がついた、というのである。

ローマ期天文譜

ホメロスはこの土地をテッサリアにあるとしている。悲劇詩人アイスキュロスたちは、女神アテナが、口をきく木材を一本、船に組み込んだと語った。

ローマ期天文譜

半分だけの船

ところが空のアルゴ船は、船の全体ではない。船尾から帆柱のところまでで、ぷつりと切れている。ヒュギヌスによれば、それは船が壊れても人々がおびえないように、という意味なのだという。

ローマ期天文譜

名前の由来

星座カード『ウラニアの鏡』(1825年)のアルゴ座(右下の船)
星座カード『ウラニアの鏡』(1825年)のアルゴ座(右下の船)シドニー・ホール『うみへび座・からす座・コップ座・ケンタウルス座・アルゴ座など(星座カード『ウラニアの鏡』)』1825年・Public domain

南の空にある、りゅうこつ座(竜骨座)・とも座(船尾座)・ほ座(帆座)・らしんばん座(羅針盤座)の四つは、もとは一つの巨大な星座だった。金の羊毛を求めてイアソンと英雄たちが乗り込んだ船、アルゴ船をかたどった「アルゴ座」である。

平凡社の世界大百科事典によれば、あまりに広すぎるので、1752年にフランスの天文学者ラカイユが、竜骨・船尾・帆・羅針盤の四つに分けた。いまはアルゴ座という名は使われない。

アルゴという船の名は、語源辞典によればギリシャ語で「速いもの」の意味である。

近現代改訂新版 世界大百科事典近現代デジタル大辞泉近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

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