作品の元になった神話

ゲーム『ハデス』の元ネタのギリシャ神話

冥界の王子になって、死者の国からの脱出を何度も試みるゲーム『ハデス』。神話で、冥界から出ていこうとした者たちはどうなったのか。

どんな作品か

『ハデス』は、スーパージャイアント・ゲームズが2020年に出したゲーム。プレイヤーは冥界の不死の王子になり、オリュンポスの神々の力と神話の武器を手に、死者の神の手から逃れようとする。途中では、ゼウス、アテナ、ポセイドンらの神々に会い、その力を授かる。

近現代Steamストア「Hades」(スーパージャイアント・ゲームズ)

冥界の王ハデス

神話のハデスは、ゼウスの兄。兄弟でくじを引いて世界を分けたとき、闇の国を引き当てて、死者の国の王になった。ギリシャ人は恐ろしい本名を口にするのを避け、「富める者」プルトンとも呼んだ。

ホメロスイリアス古典期クラテュロス

出ていく者を逃がさない門

冥界へ降りるのはたやすいが、引き返して地上へ出るのは難しい。ローマの詩人ウェルギリウスは、冥界へ向かう英雄に巫女がそう告げる場面を書いている。『神統記』によれば、館の前の恐ろしい番犬は、入ってくる者には尾と耳を振ってじゃれつくが、出ていこうとする者は決して逃がさず、捕まえて食らう。

ローマ期アエネイス古拙期神統記

冥界から戻ろうとした者たち

それでも、生きたまま冥界へ下って戻ろうとした者たちがいる。英雄ヘラクレスは、十二の難業の最後に、その番犬を地上へ引きずり出した。

ローマ期ビブリオテーケー(ギリシア神話)

歌い手オルペウスは、竪琴の歌で冥界の王と妃を動かし、死んだ妻を連れ帰る許しを得た。けれど地上の手前で振り返ってしまい、妻は冥界へ引き戻された。

ローマ期変身物語

アテナイの英雄テセウスは、冥界の女王を奪おうとして下り、「忘却の椅子」に張りつけられて動けなくなった。のちにヘラクレスに引き起こされて、ようやく地上へ帰っている。

ローマ期ビブリオテーケー(ギリシア神話)

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