出典 · 古典期(悲劇・歴史)
クラテュロス
プラトン · 前4世紀前半 · Cratylus
神名の語源を論じる対話篇。403a でハデスを「プルトン(富める者)」と呼ぶのは地下から来る富(プルトス)によるとし、人々がハデスの名を恐れることにも触れる。古代人自身の語源解釈を知る主要な資料。
この出典が語っていること
ハデス
- 「プルトン(富める者)」という呼び名は、死の神の名を直接口にするのを避けた婉曲表現とされ、地下から生じる富(プルトス)に重ねられた。この説明は古代人自身のもので、プラトン『クラテュロス』が、人々はハデスの名を恐れるので、地下から上がってくる富にちなんでプルトンと呼ぶのだ、と述べている。ローマの Dis Pater(dis「富める」)も同じ発想。 (403a。「富(プルトス)は地の下から上がってくるので、それを与える者としてプルトンと名づけられた」「ハデスは『見えざるもの(アイデース)』の名だと多くの者は思っており、恐れてプルトンと呼ぶ」)
プルトス
- 富の神プルトス(Ploutos)と、冥界の王ハデスの別名プルトン(Plouton、ラテン語 Pluto)は別の神だが、どちらも「富」の語と結びつく。プラトン『クラテュロス』のソクラテスは、プルトンという名は、富が地の下から湧いて出ることから「富を与える者」として付いたと説明し、人々はハデス(見えない者)の名を恐れてプルトンと呼ぶのだろう、とする。 (403a)