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オデュッセウス客ナウシカア娘アレテ妻ポセイドン祖先デモドコス吟遊詩人パイエケス人民スケリエ(パイエケス人の国)国
アルキノオスの宮廷で、盲目の楽人がトロイアのオデュッセウスとアキレウスを歌い、それを聞いたオデュッセウスが涙を流す場面。フランチェスコ・アイエツの作。

アルキノオス

Ἀλκίνοος人間

アルキノオスの宮廷で、盲目の楽人がトロイアのオデュッセウスとアキレウスを歌い、それを聞いたオデュッセウスが涙を流す場面。フランチェスコ・アイエツの作。 『アルキノオスの宮廷のオデュッセウス』 フランチェスコ・アイエツ 1814〜1815年Public domain

梨も柘榴も林檎も無花果もオリーブも、冬でも夏でも実が落ちず、一年中なり続ける。いつも西風が吹いて、ある実を芽吹かせ、ある実を熟させる。葡萄の畑では、干している房の隣で摘み取りが進み、その先ではまだ青い実が花を落としている。『オデュッセイア』に描かれた、ある王の館の庭である。

その庭の主が、海の民パイエケス人の王アルキノオスだ。

では、この王が英雄オデュッセウスをどう迎えたのか、見ていこう。

パイエケス人の王家は、海の神ポセイドンの血を引いている。王アルキノオスは、ポセイドンの孫にあたる。王妃は、子を残さずに死んだ兄の娘で、王は地上のどんな女よりも彼女を敬っていた。

ある日、一人の男が素っ裸で浜に流れ着いた。女神カリュプソの島を出て、嵐で筏を失ったオデュッセウスである。見つけたのは、洗濯に来ていた王女ナウシカアだった。王女は男に、町へ行ったらまず母の王妃にすがりなさい、と教えた。

館に入ったオデュッセウスは、炉ばたの灰の中に座り込んだ。王は男の手を取って立たせ、立派な椅子に座らせた。そして、名前も素性も聞かないうちに、故郷へ船で送り届けると約束した。それどころか、あなたのような男なら、娘の婿になってここに住んでもらいたい、とまで言った。ただし、帰りたいと言うのを無理に引き留める者は、この国には一人もいない、とも。

翌日、王は宴を開き、目の見えない吟遊詩人にトロイア戦争の歌を歌わせた。客は歌を聞くたびに紫の外套で顔を覆い、声を殺して泣いた。誰も気づかなかったが、隣に座る王だけが気づいていた。王は歌をやめさせ、競技を始めさせた。

やがて王は、客に尋ねた。あなたの名を教えてほしい。国と町を教えてほしい。パイエケス人の船には舵取りも舵もない。船そのものが人の考えを読み取り、世界中の町を知っていて、霧に包まれて海を渡るのだ。そして、なぜトロイアの歌を聞いて泣くのかも。

男はついに名乗った。私はオデュッセウスだ。そして、ここまでの長い冒険を語りはじめた。一つ目の巨人の洞窟も、魔女キルケの島も、セイレーンの歌も、冥界への旅も、すべてこの王の宴の席で語られたものである。

王と人々はたくさんの贈り物を船に積み、眠るオデュッセウスを乗せて、夜の海へ送り出した。船は一晩でイタケの浜に着き、眠ったままの英雄を浜に降ろして、帰っていった。

ところが、帰り道の船は町のすぐ手前で、ポセイドンの一撃で石に変えられ、海の底に根を張ってしまう。王は思い出した。父がいつも言っていた。どんな人でも送り届けるわれわれに、ポセイドンは怒っている。いつか船を石に変え、町を大きな山で囲むだろう、と。予言が当たったのだ。王は、今後よそ者を送り届けるのをやめると決め、ポセイドンに12頭の牛を捧げて祈った。町が山で囲まれたかどうかを、『オデュッセイア』は語らない。

この物語の出典: ホメロス『オデュッセイア』

この物語の人々

もっと詳しく

ポセイドンとペリボイアの子ナウシトオスの孫。兄レクセノルが子を残さず死んだため、その娘アレテを妻に迎えた。叔父と姪の結婚という系譜がそのまま語られる。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

名も素性も尋ねる前にもてなしと帰国の船を約束する。客の名を問うのは3日後の宴の席で、デモドコスの歌に涙する姿を見てからである。歓待の掟の理想型として描かれる。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

彼の館での宴が、9〜12歌の漂流譚全体の語りの枠になる。オデュッセウス自身の一人称の回想はこの宴の席で語られ、終わると13歌で船に乗せられる。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

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オデュッセウスの人柄を気に入り、娘の婿となってここに留まってはどうかと申し出る。引き留めを試みる3人目の相手(キルケ、カリュプソに続く)だが、やはり強いてはいない。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

父ナウシトオスから「いつかポセイドンが、人を送り届けた船を海上で石に変え、都を山で囲む」と聞かされていたと語る。実際に船は石に変えられ、パイエケス人は以後の送り届けをやめる。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

館の庭は四季を問わず梨・柘榴・林檎・無花果・オリーブが実り続け、葡萄が同時に花と実をつけると描写される。現実離れした豊かさが、パイエケス人を人間界と神々の世界の中間に置いている。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

アルキノオスによれば、パイエケス人の船には舵取りも舵もなく、船自身が人の考えを読み取り、あらゆる町と畑を知っていて、霧と雲に包まれて素早く海を渡る。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

デモドコスがトロイアの歌を歌うたび、オデュッセウスは紫の外套で顔を覆って泣いた。他の者は気づかなかったが、隣に座るアルキノオスだけが気づき、歌をやめさせて競技に移った。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

船が石に変えられると、アルキノオスは父の予言が成就したと悟り、以後よそ者を送り届けるのをやめ、ポセイドンに選りすぐりの牡牛12頭を捧げて、町を山で囲まないよう祈らせた。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

ほかのつながり(3人)

家族・恋愛

  • ギガース祖先

    7.56-63 ギガースの王エウリュメドンの末娘ペリボイアがポセイドンとのあいだにナウシトオスを産み、その子がアルキノオス

仲間・師弟

出来事・場所・物

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このページの出典(2件)
  1. 前8世紀頃ホメロス『オデュッセイア』
  2. 1〜2世紀頃アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』