アポロドロスもティタンの一人に挙げ、ポントスの娘エウリュビエとのあいだにアストライオス、パラス、ペルセスが生まれたと書く。ヘシオドスと同じ系譜。
アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃
Κρῖος神
北風、西風、南風。夜空の星々。勝利の女神ニケ。魔術の女神ヘカテ。系図をさかのぼると、これらはすべて、ひとりの古い神の孫にたどり着く。ティタン族のクレイオスである。
では、自分の物語をほとんど持たないこの神が、どうして系図の要になっているのか、見ていこう。
クレイオスは、天空の神と大地の女神のあいだに生まれた古い神々、ティタン族の一柱である。ゼウスの父クロノスとは兄弟にあたる。ヘシオドスの『神統記』も、アポロドーロスも、ティタンの一人として名前を挙げるだけで、この神が何をしたのかは語らない。『イリアス』や『オデュッセイア』には、名前すら出てこない。
ただ、妻の選び方は少し変わっていた。ティタンの多くは兄弟姉妹どうしで結ばれたが、クレイオスは、海の神の娘を妻に迎えた。二人のあいだには、3人の息子が生まれた。
長男は、曙の女神エオスと結ばれ、西風、北風、南風の風の神々と、明けの明星と、空に輝く星々の父となった。次男は、冥界の川の女神ステュクスと結ばれ、勝利の女神ニケ、競い合う心、力、暴力の神々をもうけた。この子どもたちは、ティタン族との戦いでいち早くゼウスの側につき、それからはいつもゼウスのそばにいる。三男は、知恵に抜きん出た神で、別のティタンの娘と結ばれ、魔術の女神ヘカテの父となった。
ヘカテの母方の祖父も、ティタンの一柱である。二つのティタンの家が、ヘカテでひとつにつながったことになる。
この物語の出典: ヘシオドス『神統記』、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』
アポロドロスもティタンの一人に挙げ、ポントスの娘エウリュビエとのあいだにアストライオス、パラス、ペルセスが生まれたと書く。ヘシオドスと同じ系譜。
アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃
ヘシオドス『神統記』 前700年頃
海の神ポントスの娘エウリュビエと結ばれ、大いなるアストライオス、パラス、知恵の抜きんでたペルセスの三柱をもうける。ほかのティタンの多くが兄弟姉妹どうしで結ばれるのに対し、クレイオスは海の系統から妻を迎えている。
ヘシオドス『神統記』 前700年頃
孫の代がにぎやか。アストライオスと曙エオスからは西風ゼピュロス・北風ボレアス・南風ノトスと明けの明星と星々が、パラスとステュクスからは勝利の女神ニケ、競争心ゼロス、力クラトス、暴力ビアが、ペルセスとアステリアからは女神ヘカテが生まれる。
ヘシオドス『神統記』 前700年頃