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オデュッセウス主人テレマコス若主人アンティクレイア育ての親ラエルテス買い主ペネロペイアの求婚者たち敵アルゴス(犬)主人の犬アテナ女神
豚飼いエウマイオス。ヤン・スティカの作。

エウマイオス

Εὔμαιος人間

豚飼いエウマイオス。ヤン・スティカの作。 『エウマイオス、豚飼いの頭』 ヤン・スティカ 1925年以前Public domain

2026年公開のクリストファー・ノーラン監督の映画『オデュッセイア』で、ジョン・レグイザモが演じた役がある。主人公の家に仕える豚飼い、エウマイオスだ。

では、この豚飼いが原作の『オデュッセイア』でどんな役を担っているのか、見ていこう。

20年ぶりにイタケへ帰り着いた英雄オデュッセウスは、女神アテナの手でみすぼらしい老人の姿に変えられた。屋敷には、妻に言い寄る求婚者たちが居座っている。オデュッセウスがまず向かったのは、町はずれにある豚飼いの小屋だった。

豚飼いのエウマイオスは、見知らぬ乞食を追い返さなかった。客人も物乞いも、みなゼウスのもとから来るのだから。そう言って、自分の豚を屠ってもてなした。そして食事のあいだ、行方の知れない主人のことを嘆き、主人の財産を食いつぶす求婚者たちを憎んで語った。目の前の乞食がその主人だとは、まだ知らない。

夜になると、エウマイオスは自分の身の上を語る。自分は生まれながらの奴隷ではなかった。遠い島の王の息子として生まれたのだ、と。父の館には、異国から来た女奴隷がいて、幼い彼の乳母をしていた。そこへ商いの船がやって来る。女は船乗りたちと示し合わせ、故郷へ帰してもらう代わりに、館の杯と、主人の幼い息子を持ち出した。船が出て7日目、女は女神アルテミスの矢に打たれて死んだ。残された少年は、流れ着いたイタケで、オデュッセウスの父に買い取られた。

幼い彼を育てたのは、オデュッセウスの母だった。自分の末娘と一緒に、実の子とほとんど変わらず大事にしてくれた、とエウマイオスは懐かしむ。その母が、息子を待ちきれずに嘆きの中で死んだことも、彼は乞食姿の主人に語って聞かせた。

やがて、父を探す旅から戻ったオデュッセウスの息子テレマコスも、この小屋にやって来る。父と息子が20年ぶりに再会したのは、エウマイオスが町へ使いに出ているあいだのことだった。

求婚者たちとの決着が近づくと、オデュッセウスは豚飼いと牛飼いの二人を呼び、膝の古傷を見せて正体を明かす。二人は泣いて主人に抱きついた。求婚者たちとの戦いでは、エウマイオスは武器を取って主人の側で戦った。

『オデュッセイア』は、この豚飼いのことを書くとき、ときどき「豚飼いよ、おまえは」と本人に呼びかける形をとる。登場人物の中で、そう書かれるのは彼だけだ。

この物語の出典: ホメロス『オデュッセイア』、クリストファー・ノーラン監督『映画『オデュッセイア』』

この物語の人々

ローマ以後の語り

現代解釈: クリストファー・ノーラン監督の映画『オデュッセイア』(2026年)でジョン・レグイザモが演じる。

クリストファー・ノーラン監督『映画『オデュッセイア』』 2026年7月17日公開

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見知らぬ乞食に「客人はみなゼウスから来る」と言って自分の豚を屠ってもてなす。求婚者たちの無礼な饗宴と対比される、作中の理想的な歓待の場面。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

自らの身の上を語る。シュリエ島の王クテシオスの子として生まれたが、フェニキア人の女奴隷に連れ出されて商人に売られ、ラエルテスに買われた。『オデュッセイア』で奴隷が自分の過去を長く語る唯一の場面。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

地の文で「エウマイオスよ、おまえは答えて言った(τὸν δ᾽ ἀπαμειβόμενος προσέφης, Εὔμαιε συβῶτα)」と、語り手が登場人物に直接呼びかける形が繰り返し使われる。『オデュッセイア』でこの呼格の語りを向けられるのはエウマイオスだけで、『イリアス』ではパトロクロスやメネラオスに同じ形が使われる。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

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求婚者殺しの直前、牛飼いピロイティオスとともに傷跡を見せられて主人と知り、武器を取る。忠実な下僕が報われる場面として、不忠な侍女たちの処刑(22.457-473)と対になっている。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

エウマイオスは、シュリエ島の王の子だった。館にいたフェニキア人の女奴隷(乳母)が、故郷へ帰してもらう約束で商人たちと通じ、杯と幼い彼を連れて船に乗った。7日目に女はアルテミスの矢に打たれて死に、少年はイタケでラエルテスに買われた。

ホメロス『オデュッセイア』 前8世紀頃

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このページの出典(2件)
  1. 前8世紀頃ホメロス『オデュッセイア』
  2. 2026年7月17日公開クリストファー・ノーラン監督『映画『オデュッセイア』』