呼び名の違い

アキレウスとアキレス、どちらの名?

神話の英雄はアキレウス。けれど、かかとの腱も、亀と競走する話も「アキレス」だ。この一音の違いは、ラテン語から来ている。

アキレスはラテン語の名

アキレスは、アキレウスのラテン語の名前(Achilles)です。ギリシャ語ではアキレウス。英語もラテン語の綴りを使う。

近現代デジタル大辞泉近現代精選版 日本国語大辞典

アキレス腱はラテン語の医学用語から

かかとの骨とふくらはぎの筋肉をつなぐ腱に、この英雄の名前が付いたのは17世紀の終わり。1693年にオランダの解剖学者がchorda Achillis(アキレスの腱)と名付け、ドイツの外科医ハイスターがtendo Achillisというラテン語の呼び名を初めて使った、と語源辞典は書いている。日本語の「アキレス腱」の「アキレス」も、英雄のラテン語の名前である。

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かかとの弱点は後から

ところが、ホメロスの『イリアス』のアキレウスは、不死身ではない。敵の槍に腕をかすめられて血を流す、ふつうに傷つく戦士として描かれている。

ホメロスイリアス

母の女神が赤ん坊を冥界の川に浸したという話が、いま残る作品で初めて見えるのは、1世紀の終わりのローマの詩人スタティウスの『アキレイス』。そこで母は「全身をそうできていたら」と嘆くが、かかととはまだ書かれていない。

ローマ期アキレイス

亀と競走するアキレス

哲学者ゼノンの逆説「アキレスと亀」でも、日本語ではアキレスと呼ぶ。追いかける役に選ばれたのは、『イリアス』で「足の速い」と何度も呼ばれる英雄だった。

近現代故事成語を知る辞典ホメロスイリアス

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