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ポリュネイケス兄弟オイディプス父イオカステ母アンティゴネ妹クレオン叔父テーバイ攻めの七将戦テーバイ都テュデウス敵の使者
エテオクレスとポリュネイケス。フランス・フランケン(子)の作。

エテオクレス

Ἐτεοκλῆς人間

エテオクレスとポリュネイケス。フランス・フランケン(子)の作。 『エテオクレスとポリュネイケス』 フランス・フランケン(子) 17世紀 アントワープ王立美術館Public domain

テーバイ攻めの七将5 / 8

七つの門を持つ町に、七人の将が攻め寄せてくる。町の王は、門を一つずつ守将に割り振っていった。最後に残った七番目の門。そこへ攻めてくる敵の将は、王の実の兄弟だった。

では、この王エテオクレスがなぜ兄弟と刃を交えることになったのか、見ていこう。

エテオクレスは、テバイの王オイディプスの息子である。父の破滅のあと、彼は兄弟のポリュネイケスとともに王座を受け継いだ。二人は交代で国を治める約束をしたが、その約束が破れ、ポリュネイケスは国を追われた。

どちらが悪かったのかは、作品によって違う。エウリピデスの悲劇『フェニキアの女たち』では、先に王座に就いたエテオクレスが、1年たっても明け渡さなかった。母の前で弟と向き合った彼は、王の力のためなら不正も許される、ほかのことでは神を敬うべきだが、という意味のことを言い放ち、弟の求めをはねつける。ソポクレスの『コロノスのオイディプス』では、町の人々を言いくるめて兄を追い出したのがエテオクレスとされる。

追放された兄弟は、アルゴスの王の娘婿となり、七人の将を率いて攻めてきた。

アイスキュロスの悲劇『テバイを攻める七将』は、町を守る王としてのエテオクレスから始まる。王は取り乱す女たちを叱りつけ、斥候の報告を聞きながら、敵の将一人ひとりに見合う守将を門ごとに当てていく。そして七番目の門にポリュネイケスが来ると知ると、自分が行くと言った。女たちは止めた。けれども王は、父の呪いがいま果たされるのだと言い、門へ向かった。

アポロドーロスによれば、二人は両軍の取り決めによって一騎打ちをし、互いに相手を殺した。エウリピデスの使者の話はもっと細かい。エテオクレスは技を使って兄弟の腹を刺し、勝ったと思って鎧を剥ごうとした。ところが、まだ息のあったポリュネイケスに刺し返され、二人とも倒れた。駆けつけた母は、剣で自らの喉を突いた。

町を守って死んだエテオクレスは手厚く葬られ、攻めてきた兄弟の遺体は野ざらしにされた。その違いが、妹アンティゴネの悲劇の始まりになる。

ホメロスの『イリアス』には、「力強いエテオクレスの館」という言葉が一度だけ出てくる。そこでは、兄弟との争いは語られない。

この物語の出典: ホメロス『イリアス』、アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』、ソポクレス『アンティゴネ』、エウリピデス『フェニキアの女たち』、ソポクレス『コロノスのオイディプス』、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』

この物語の人々

こういう風にも語られている

約束を破ったのはどちらか: エウリピデス『フェニキアの女たち』では、兄エテオクレスが先に王位に就き、1年後に弟ポリュネイケスと交代する約束だったが、王座に座ると明け渡さず弟を追放した。ソポクレス『コロノスのオイディプス』では、弟エテオクレスが町の人々を言いくるめて兄を追い出したとされる。アポロドーロスは、ポリュネイケスが先に1年治めて譲ったとする説と、エテオクレスが先に治めて譲らなかったとする説を並べる。

エウリピデス『フェニキアの女たち』 前410年頃上演、ソポクレス『コロノスのオイディプス』 前401年上演(作者の死後)、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃

ローマ以後の語り

息子ラオダマスは、10年後に攻めてきたエピゴノイ(七将の息子たち)とテーバイ軍を率いて戦い、アドラストスの子アイギアレウスを討つが、アルクマイオンに殺される。パウサニアスによれば、敗れたテーバイ人の多くはラオダマスと共にイリュリアへ逃れた。

アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃、パウサニアス『ギリシア案内記』 2世紀

もっと詳しく

ホメロスでの姿: 『イリアス』には、使者として来たテュデウスが「力強いエテオクレスの館」で宴を開くカドモスの民に力比べを挑む場面があり、テーバイの王としての名だけが一度出てくる。オイディプスの息子であることも、兄弟との争いも語られない。

ホメロス『イリアス』 前8世紀頃

アイスキュロスの形(前467年): 劇は、町を守る王としてのエテオクレスの演説で始まる。取り乱す女たちを叱り、斥候の報告に合わせて六つの門に守将を割り当て、第七の門にポリュネイケスが来ると知ると、止める女たちを振り切って自ら向かう。そこで初めて「父の呪いがいま果たされる」と、家の宿命を受け入れる。

アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』 前467年上演

エウリピデスのエテオクレスは、はっきりと権力を欲する人物として描かれる。母イオカステの前で弟と対面し、「王権(テュランニス)のためなら不正も許される、ほかのことでは敬虔であるべきだが」という趣旨の言葉を口にし、交代の約束を拒む。

エウリピデス『フェニキアの女たち』 前410年頃上演

相討ちの場面: エウリピデスの使者の報告では、一騎打ちでエテオクレスがテッサリア仕込みの技でポリュネイケスの腹を刺し、勝ったと思って武具を剥ごうとしたところ、まだ息のあったポリュネイケスに刺し返されて二人とも倒れる。それを見た母イオカステは剣で喉を突いて二人の上に倒れる。アポロドーロスは「両軍の決議によって一騎打ちをし、互いに殺し合った」と短く書く。

エウリピデス『フェニキアの女たち』 前410年頃上演、アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』 1〜2世紀頃

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家族・恋愛

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このページの出典(7件)
  1. 前8世紀頃ホメロス『イリアス』
  2. 前467年上演アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』
  3. 前441年頃上演ソポクレス『アンティゴネ』
  4. 前410年頃上演エウリピデス『フェニキアの女たち』
  5. 前401年上演(作者の死後)ソポクレス『コロノスのオイディプス』
  6. 1〜2世紀頃アポロドーロス(偽アポロドーロス)『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』
  7. 2世紀パウサニアス『ギリシア案内記』