出典 · ヘレニズム期
星辰譜(パイノメナ)
アラトス · 前3世紀前半 · Phaenomena
星座と天候のしるしを歌った教訓詩。古代で最も広く読まれた天文詩で、キケロらがラテン語に訳した。プレイアデス(254-267)、オリオンとサソリ(634-646)。
この出典が語っていること
人間の五つの時代
- アラトスは、おとめ座の乙女を、金の時代に人間と交わって暮らし、広場で長老たちに掟を説いた正義の女神ディケとする。銀の時代には夕方だけ山から下りて人々を叱り、青銅の種族が初めて剣を鍛え、耕す牛を食べるようになると、天へ飛び去って星座になった。 (96-136(ギリシャ語本文で確認))
カシオペイア
- アラトスの『星辰譜』では、「不運な」カッシエペイアは大きな星座ではなく、満月の夜にも見える。星の並びは二枚扉の閂を打ち上げる鍵のようで、狭い肩から両腕を広げた姿は、娘を嘆いているかのようだとされる。そばには「母のもとでつらい目にあった」アンドロメダの星座がめぐる。 (188-198)
- アラトスは、沈んでいくカッシエペイアについて、娘の姿を追って急ぐ彼女の足と膝はもう椅子の上にきちんと見えず、潜る者のように頭から沈むと書き、ドリスやパノペ(ネレイスたち)と張り合ったからには、ただではすまなかったのだ、と結ぶ。 (653-658)
マイア
- 関係: member_of → pleiades (アポロドーロス3.10.1-2(長女)、アラトス262-263)
オリオン
- 死に方(3)サソリ: アラトスは「昔の人の話」として、オリオンがキオス島でオイノピオンのために獣を狩っていたとき、アルテミスの衣に手をかけようとしたので、女神が島の丘を割ってサソリを出し、刺し殺させたと歌う。だからサソリ座が昇るとオリオン座は地の果てへ逃げる、という星の動きの説明になっている。オウィディウス『祭暦』では、どんな獣にも負けないと豪語したオリオンに大地がサソリを差し向け、サソリが双子の母ラトナ(レト)を刺そうとしたところにオリオンが立ちはだかった。ラトナはその功に報いて、彼を星々に加えた。 (アラトス『星辰譜』634-646 /『祭暦』5.537-544)
プレイアデス
- 7人の名はアルキュオネ、メロペ、ケライノ、エレクトラ、ステロペ(アステロペ)、タユゲテ、マイア。アポロドーロスとアラトスで同じ7人が挙がる。マイアはヘルメスの母、エレクトラはトロイア王家の祖ダルダノスの母、メロペはシシュポスの妻になる。アルキュオネは、カワセミに変わったケユクスの妻アルキュオネとは別人。 (アポロドーロス 3.10.1-2、3.12.1 / アラトス『星辰譜』262-263)
- 「7人と呼ばれるのに6つしか見えない」ことは古代から語られていた。前3世紀のアラトスは、7つと呼ばれるが目に見えるのは6つだけで、それでもゼウスのもとから星が一つ知られずに消えたわけではない、と歌う。 (『星辰譜』254-261)