出典 · ローマ期
対比列伝(英雄伝)
プルタルコス · 2世紀初頭 · Parallel Lives
『ヌマ』9-10 にウェスタの巫女の制度(聖火の管理、30年の任期、人数が六人に定まる経緯)が記される。
この出典が語っていること
アマゾン族
- 関係: enemy → theseus (摘要 1.16 テセウスがアンティオペ(メラニッペ、ヒッポリュテとも)を連れ去り、アマゾンがアテナイに攻め寄せる。プルタルコス『テセウス伝』26-27)
アンタイオス
- プルタルコスによれば、リビュアの人々はアンタイオスがティンギスに葬られていると言い、ローマの将軍セルトリウスはその墓を掘らせた。大きさを疑っていたが、60ペーキュスの遺体が出てきたので驚き、いけにえを捧げて埋め戻し、その言い伝えと祭りを重んじた。 (『セルトリウス伝』9.3)
- ティンギスの人々の言い伝えでは、アンタイオスの死後、妻ティンガがヘラクレスと結ばれてソパクスを産み、ソパクスは王となって母の名を町につけた。プルタルコスは、この話はソパクスの子孫とされた学問好きの王ユバを喜ばせるためのものだろうと評する。 (『セルトリウス伝』9.4)
アリアドネ
- プルタルコスは、この件は話がまったく一致しないと断ったうえで、捨てられて首を吊ったという説、ナクソスでディオニュソスの神官オイナロスと暮らしたという説、テセウスが別の女性アイグレに心を移したためという説、テセウスとの間に子があったという説を並べる。 (『テセウス伝』20.1-2)
ヘスティア
- ローマのウェスタは国家の炉の火を守る女神で、ウェスタの巫女が火を絶やさぬよう仕えた。プルタルコスによれば、ヌマがまず二人を、のち四人とし、セルウィウスがさらに二人を加えて六人になった。任期は30年で、最初の10年は学び、次の10年は務め、最後の10年は後進に教える。ギリシャのヘスティアには家々や都市の炉の祭祀はあっても、これほど制度化された神官団は無い。語源の節も参照。 (『ヌマ』9.5(聖火の管理をウェスタの巫女に託したのはヌマとされる)、10.1(人数が六人に定まる経緯と30年の任期))
ヒッポリュテ
- アポロドーロスは、ヘラクレスのアマゾン遠征に加わったテセウスが連れ帰ったアマゾンをアンティオペ(一説にメラニッペ)とし、詩人シモニデスはヒッポリュテと呼ぶ、と記す。この女性からヒッポリュトスが生まれた。プルタルコスも、クレイデモスがテセウスの妻のアマゾンをアンティオペではなくヒッポリュテと呼ぶことを紹介する。 (アポロドーロス 摘要1.16。プルタルコス『テセウス伝』27.4)
- 関係: spouse → theseus (摘要1.16 テセウスの妻のアマゾンを、シモニデスはヒッポリュテと呼ぶ(多くはアンティオペ)。プルタルコス『テセウス伝』27.4 クレイデモスも同様)
ラビュリントス
- プルタルコスが伝えるピロコロスの説では、クレタ人は「迷宮はただ逃げられないだけの牢獄だった」と言っていた。怪物の棲む迷路ではなく、アテナイの若者を競技の賞品として閉じ込めておく場所だったという合理的な解釈。 (『テセウス伝』16.1)
ミノタウロス
- 合理化した説もある。プルタルコスが伝えるピロコロスによれば、クレタ人は「迷宮は逃げられないだけの牢獄で、ミノタウロスとは、ミノスの将軍で横暴だったタウロスという男のことだ」と言っていた。パシパエとの醜聞もこのタウロスの話にすり替わっている。 (『テセウス伝』16.1, 19.2)
ポボスとデイモス
- プルタルコスによれば、スパルタ人は死や笑いの神殿と並んで恐れ(ポボス)の神殿を持っていた。恐れを祀るのは、それを有害なものとして退けたいからではなく、恐れこそが国の秩序を最も支えるものと考えたからだという。 (『クレオメネス伝』9.1)
テセウス
- プルタルコスは、『オデュッセイア』の「テセウスとペイリトオス、神々の輝かしい子ら」という一行はアテナイ人を喜ばせるためにペイシストラトスが差し込んだ、というメガラのヘレアスの説を伝えている。アテナイの英雄をホメロスに書き足す動機があった、という古代の疑いである。 (『テセウス伝』20.2)
- プルタルコスは、クレタ人の言い分として、迷宮はただの牢獄で、ミノタウロスとはミノスの将軍タウロスという横暴な人物のことだった、というピロコロスの合理的な説明を紹介している。 (『テセウス伝』16.1, 19.2)
- テセウスがクレタから若者たちと帰った三十櫂の船は、アテネ人がデメトリオス・パレレウスの時代まで保存し、古い材木を抜いて新しいものに替え続けた。そのため、ものが同じであり続けるかという哲学者の議論の例になった(いわゆる「テセウスの船」)。 (『テセウス伝』23.1)
- プルタルコスによれば、周囲は盗賊の出る陸路を避けて海路で行くよう勧めたが、テセウスは同族のヘラクレスが各地で悪人を退治しているのに自分が逃げるように海を渡るのは恥だと考え、陸路を選んだ。 (『テセウス伝』6.3-7.2)
- 関係: killed → minotaur (アポロドーロス摘要 1.9 迷宮の奥で拳で打ち殺す、プルタルコス『テセウス伝』19.1、オウィディウス『変身物語』8.169-173)
- 関係: abducted → helen (摘要 1.23 ペイリトオスの助けで12歳のヘレネをスパルタからさらう。プルタルコス『テセウス伝』31)
- 関係: enemy → amazons (摘要 1.16-17、プルタルコス『テセウス伝』26-27)