出典 · 古典期(悲劇・歴史)
オイディプス王
ソポクレス · 前429年頃上演(推定) · Oedipus Tyrannus (Oedipus the King)
テーバイの疫病の原因を探るオイディプスが、自分こそ先王ライオスの殺害者で、母と結婚していたことを突き止める悲劇。上演年は確定していない。
この出典が語っていること
アンティゴネ
- 関係: child → oedipus (OT 1462-1475 / 3.5.8 / 『フェニキアの女たち』55-58)
クレオン
- 関係: sibling → jocasta (共にメノイケウスの子。『オイディプス王』69-70 / 3.5.7-8 / 『神話伝説集』70「イオカステの兄弟クレオン」)
デルポイ
- ソポクレス『オイディプス王』で、オイディプスは出生の噂を確かめにデルポイへ行き、問いには答えられず、母と交わり父を殺すと告げられる。コリントスを避けて逃げる途中、デルポイとダウリアからの道が合わさる三叉路で、実の父を殺す。 (733-734、779-813)
- 関係: visited_by → oedipus (787-793)
イスメネ
- 関係: child → oedipus (3.5.8 /『オイディプス王』1462-1475)
イオカステ
- ホメロスとソポクレスでは、真相が明らかになるとすぐ首を吊って死ぬ。ホメロスは「悲しみに打ち負かされ、高い梁から縄をかけた」とだけ言い、ソポクレスは寝室に駆け込んでライオスの名を呼び、閉ざした戸の向こうで縄にかかっていた姿を使者に語らせる。 (『オデュッセイア』11.277-278 / OT 1241-1264 / 3.5.9)
- ソポクレスのイオカステは、神託を疑う人物として描かれる。「人間のうちに予言の術を持つ者などいない」と言い、ライオスは息子に殺されるはずだったのに三叉路で盗賊に殺された、と例を挙げてオイディプスを安心させようとする。その「三叉路」の一言が、かえってオイディプスに疑いを抱かせる。 (OT 707-730)
- 『オイディプス王』でイオカステが語るところでは、ライオスに「生まれる子の手にかかって死ぬ」という神託が下り、子が生まれて3日もたたないうちに、ライオスはその両くるぶしを刺しつなぎ、人の手で人里離れた山に捨てさせた。 (711-719)
- 母と結婚するという神託を恐れるオイディプスに、イオカステは「夢の中で母と寝た男は大勢いる。気にしない者ほど楽に生きられる」と言う。 (980-983)
- 羊飼いの話から真相を悟ったイオカステは、自分の命が惜しいならこの探索はやめて、とオイディプスを止め、「不幸な人、あなたが誰なのか決して知ることがありませんように」と言って館に去る。 (1056-1072)
- 関係: spouse → laius (OT 711-714 / 3.5.7 / 『フェニキアの女たち』10-13)
- 関係: parent → oedipus (『オデュッセイア』11.271 / OT)
- 関係: spouse → oedipus (『オデュッセイア』11.271-274 / OT)
ライオス
- ソポクレスでは、神託は「生まれた子に殺される」という予告の形。イオカステの語るところでは、ライオスは生後3日にもならない赤子のくるぶしを留め、人の手で人跡まれな山に捨てさせた。エウリピデスとアポロドーロスは、神託に逆らって子をもうけたのは酒に酔ったためだったとする。 (OT 711-719 /『フェニキアの女たち』17-26 / 3.5.7)
- ライオスが殺されたのは、ポキス地方でデルポイからの道とダウリアからの道が合わさる「三叉路」。ソポクレスではオイディプスが、道から押しのけられて御者を打ち、老人に二又の突き棒で頭を打たれたので、杖で打ち返して一行を殺したと自ら語る。アポロドーロスでは狭い道で、伝令ポリュポンテスが馬の一頭を殺したことが発端とされる。 (OT 716, 733-734, 800-813 / 3.5.7)
- 『オイディプス王』で、オイディプスは三叉路で伝令と馬車の老人に道から押しのけられ、御者を打つと、老人が馬車から二股の突き棒で頭を打ってきたので、杖で打ち返して老人を馬車から転げ落とし、一行を殺したと語る。一行は伝令を含む5人で馬車は一台、ライオスは背が高く髪に白いものが混じり、姿はオイディプスに似ていた、とイオカステが言う。 (740-754、800-813)
- ライオス殺しの唯一の生き残りの召使いは、盗賊の大勢に襲われたと報告し、のちにオイディプスが王座にあるのを見て、町から遠い牧場へ行かせてほしいとイオカステに願い出た。 (114-125、756-764)
- 関係: spouse → jocasta (OT 711-714 / 3.5.7 / 『フェニキアの女たち』10-13)
- 関係: parent → oedipus (OT 711-722 / 3.5.7)
- 関係: ruler → thebes (3.5.7 アンピオンの死後に王位を継ぐ / OT 103 以下)
- 関係: advisee → apollo (デルポイの神託。『七将』745-749 / OT 711-714 /『フェニキアの女たち』17-20)
オイディプス
- ソポクレスの形: 真相が明らかになると、イオカステは寝室で首を吊る。駆け込んだオイディプスは、彼女の衣から金のブローチを引き抜き、何度も自分の目を突いた。そしてテーバイを去ることを願う。ホメロスとの最大の違いは、この自ら目を突く行為と追放にある。 (OT 1237-1285(首吊り 1263-1264、ブローチ 1268-1279))
- 名前は「腫れた足」と解された。生まれて3日目に、ライオスが赤子のくるぶしを留め金で貫いて山に捨てさせたため、とソポクレスもアポロドーロスも説明する。コリントス王ポリュボスの妃がこの子を引き取り、足の腫れからオイディプスと名付けた。 (OT 717-719, 1032-1036 / 3.5.7 / etymonline の Oedipus の項(oidan「腫れる」+ pous「足」))
- 『オイディプス王』は、疫病に苦しむテーバイで、先王ライオスの殺害者を追い出せという神託が下るところから始まる。オイディプスは犯人を呪い、テイレシアスに犯人だと告げられ、コリントスからの使者と、赤子を渡した老いた牛飼いの証言によって、自分の素性にたどり着く。 (1-30(疫病)、216-275(呪い)、300-462(テイレシアス)、924-1085(使者)、1110-1185(牛飼い))
- 関係: child → laius (OT 711-722 / 3.5.7 /『オデュッセイア』11.271-274)
- 関係: killed → laius (『オデュッセイア』11.273 / OT 800-813 / 3.5.7 ポキスの狭い道で)
- 関係: child → jocasta (『オデュッセイア』11.271(エピカステ)/ OT / 3.5.7)
- 関係: spouse → jocasta (『オデュッセイア』11.271-274 / OT / 3.5.8)
- 関係: parent → antigone (OT 1462-1475 / 3.5.8 / 『フェニキアの女たち』55-58)
- 関係: enemy → sphinx (OT 391-398 鳥占いではなく知恵で謎を解いた / 3.5.8)
- 関係: ruler → thebes (『オデュッセイア』11.275-276 / OT / 3.5.8)
- 関係: advisee → tiresias (OT 300-462 テイレシアスが「あなたこそ探している殺害者だ」と告げる)
スフィンクス
- ソポクレス『オイディプス王』では、謎の中身は語られず、スフィンクスは「歌う者」「過酷な歌い手」と呼ばれる。オイディプスは、予言者テイレシアスでさえ解けなかった謎を、鳥占いにも頼らず自分の知恵だけで解いたと誇る。 (OT 35-36, 130-131, 390-398)
- 関係: enemy → thebes (『神統記』326「カドモスの民を滅ぼした」/ 3.5.8 / OT 35-36, 130-131)
- 関係: enemy → oedipus (3.5.8 / OT 391-398)
テーバイ
- 関係: advisee → tiresias (テーバイの予言者として王たちに警告する。OT 300-462 /『アンティゴネ』988-1090)