出典 · 古典期(悲劇・歴史)
パイドロス
プラトン · 前4世紀前半 · Phaedrus
対話篇。243a でステシコロスの『パリノディア(取り消しの歌)』が引用され、「ヘレネは船に乗らずトロイアへ行かなかった」という幻影説の最古の証言となっている。
この出典が語っていること
アテナイ
- 関係: visited_by → boreas (イリソス川のほとりでオレイテュイアをさらう。『パイドロス』229b-c、アポロドーロス 3.15.2)
ボレアス
- プラトン『パイドロス』のソクラテスも、イリソス川の下流、アグライの聖域へ渡るあたりにボレアスの祭壇があると言っている。 (229c)
- 関係: abducted → orithyia (アポロドーロス 3.15.2、『変身物語』6.683-707、アポロニオス 1.211-218、『パイドロス』229b-c)
- 関係: visited → athens (イリソス川のほとりでオレイテュイアをさらう(『パイドロス』229b-c、アポロドーロス 3.15.2)。のちに同じ川のほとりに聖域が設けられる(ヘロドトス 7.189))
カリオペ
- プラトン『パイドロス』では、蝉がムーサたちに地上の人間の様子を報告するという話の中で、最年長のカリオペとその次のウラニアには、哲学に生きてムーサの音楽を敬う人のことが伝えられる。この二柱は天と、神々と人間の言葉に最も関わるから、とされる。前4世紀の段階で、カリオペは叙事詩ではなく哲学と組み合わされている。 (259b-d)
- 関係: sibling → urania (259d 最年長のカリオペと、その次のウラニアが組にされる)
エラト
- プラトン『パイドロス』の蝉の話では、蝉はエラトに、恋の事柄で彼女を敬った人のことを知らせる。前4世紀の段階で、エラトは恋と結びつけられている。 (259d)
- 『パイドロス』の蝉は、もとは歌に夢中になって飲食を忘れて死んだ人間で、ムーサたちから蝉として生きる命を授かり、死後にムーサたちへ地上の人々のことを報告するとされる。 (259b-d)
ヘレネ
- ヘレネはトロイアへ行っていない、という説がある。前6世紀の詩人ステシコロスは、ヘレネを謗ったために盲目になり、「その話は真実ではない、あなたは船にも乗らずトロイアの城壁にも行かなかった」と歌い直して視力を取り戻したとされる。この「取り消しの歌(パリノディア)」はプラトンが引用して伝えている。 (『パイドロス』243a-b)
ヘスティア
- プラトン『パイドロス』では、翼ある車を駆るゼウスを先頭に神々が11の隊に分かれて天を巡るが、ヘスティアだけは神々の家に一人とどまる、と語られる。 (246e-247a(「μένει γὰρ Ἑστία ἐν θεῶν οἴκῳ μόνη」247a))
オレイテュイア
- プラトン『パイドロス』では、ソクラテスとパイドロスがイリソス川のほとりを歩きながら、この辺りでボレアスがオレイテュイアをさらったのかと話す。ソクラテスは、実際の場所はもう少し下流のアグライの聖域へ渡るあたりで、ボレアスの祭壇もあると答える。 (229b-c)
- 同じ箇所でソクラテスは、「ファルマケイアと遊んでいた少女が北風に吹かれて岩から落ちたのを、ボレアスにさらわれたと言ったのだ」という合理的な解釈を紹介する。ただ、そんな説明に時間を使うより自分自身を知るほうが先だとして、深入りしない。 (229c-e)
- 関係: abducted_by → boreas (アポロドーロス 3.15.2、『変身物語』6.705-707、アポロニオス 1.211-218、『パイドロス』229b-c)
テルプシコレ
- プラトン『パイドロス』の蝉の話では、蝉はテルプシコレに、合唱舞踊(コロス)で彼女を敬った人のことを知らせ、その人たちを女神にいっそう愛されるようにする。前4世紀の段階で、名前の意味どおり踊りと結びつけられている。 (259c-d)
- 『パイドロス』によれば、ムーサたちが生まれて歌が現れたとき、歌の喜びに夢中で飲食を忘れて死んだ人々から蝉が生まれ、ムーサたちから飲食なしに歌い続ける力を授かった。蝉は死後ムーサたちに報告し、テルプシコレには合唱舞踊で彼女を敬った人々のことを知らせる。 (259b-d)
オリュンポス十二神
- プラトン『パイドロス』では、ゼウスが翼ある戦車で先頭を行き、神々とダイモンの軍勢が十一の隊に分かれて続く。ヘスティアだけが神々の家に残り、ほかの「十二の神々」に数えられる者がそれぞれの隊を率いる。 (246e-247a)
ウラニア
- プラトン『パイドロス』の蝉の話では、蝉は最年長のカリオペと、その次のウラニアに、哲学に生きてムーサの音楽を敬う人のことを知らせる。この二柱のムーサが、天と、神々と人間の言葉に最も関わっているから、とされる。 (259d)