出典 · 古典期(悲劇・歴史)
トロイアの女
エウリピデス · 前415年 · Trojan Women
日本語訳: 松平千秋・久保正彰・岡道男編『ギリシア悲劇全集』岩波書店、1990-93(全13巻+別巻) / 丹下和彦訳『エウリピデス 悲劇全集』京都大学学術出版会(西洋古典叢書)、2012-16 · 原文・参考リンク ↗
この出典が語っていること
アンドロマケ
- 落城後はアキレウスの子ネオプトレモスの取り分となる。エウリピデス『トロイアの女』では、息子を奪われる場面とともに描かれる。 (『小イリアス』要約、『トロイアの女』709-798)
- 関係: abducted_by → neoptolemus (『小イリアス』要約で戦利品として与えられる。『トロイアの女』274-277)
- 関係: participated_in → sack-of-troy (捕虜として分配される)
アステュアナクス
- 一方『イリオスの陥落』の要約では、はっきりと「オデュッセウスがアステュアナクスを殺す」と書かれる。エウリピデスやアポロドーロスでは、オデュッセウスの提案でギリシャ勢が決定し城壁から投げ落とす形になっている。 (『イリオスの陥落』要約、アポロドーロス摘要 5.23、『トロイアの女』709-725(オデュッセウスの提案))
- エウリピデス『トロイアの女』では、遺体が父ヘクトルの大盾に載せられて運ばれ、ヘカベが葬る。盾が棺の代わりになるという演出は悲劇の創意とされる。 (1118-1250)
ヘカベ
- エウリピデス『トロイアの女』では、ヘレネがパリスの審判を持ち出して自分の責任を否定すると、ヘカベが「女神たちがそんな醜い争いをするはずがない」と反論する。神話を合理的に批判する場面として名高い。 (ヘレネの弁明 924-937、ヘカベの反論 969-1032)
- 『トロイアの女』で、ヘカベはくじでオデュッセウスの奴隷と決まり、二枚舌の憎むべき敵だと嘆く。 (277-291)
- 関係: participated_in → sack-of-troy (落城後、捕虜として分配される)
パリスの審判
- エウリピデス『トロイアの女』では、ヘレネが自分の弁護として審判の話を持ち出すが、ヘカベが「女神たちがそんな美人争いをするはずがない、お前が欲に駆られただけだ」と反論する。神話そのものを疑ってみせる場面。 (ヘレネの弁明 914-937(審判は 924-937)、ヘカベの反論 969-1032)
メネラオス
- 落城の夜にヘレネを殺そうと剣を抜いたが、彼女の胸を見て剣を取り落とした——という話が悲劇に出てくる。エウリピデス『アンドロマケ』はこの型で彼を嘲り、『トロイアの女』では「スパルタへ連れ帰って殺す」と言いながら結局は連れ帰るだけになる。ホメロスのおだやかな戦後とは別の系統の後日談。 (『アンドロマケ』627-631 / 『トロイアの女』1050-1059)
パリス
- 審判の詳細(三女神がそれぞれ権力・武勇・最も美しい女を約束し、パリスがアプロディテを選ぶ)は『イリアス』の外で語られる。『キュプリア』要約、エウリピデス、アポロドーロス、オウィディウスと繰り返し語り直された。 (『キュプリア』要約(プロクロス)、エウリピデス『トロイアの女』924-937、アポロドーロス摘要 3.2、『名婦の書簡』16(パリスからヘレネへ))
トロイア落城
- 関係: participant → hecuba (捕虜として分配される)