ギリシャ神話が語源の言葉

からす座・コップ座・うみへび座

腕を伸ばして立つ、ベルヴェデーレのアポロン。
腕を伸ばして立つ、ベルヴェデーレのアポロン。作者不詳『ベルヴェデーレのアポロン』写真は2009年・Public domain

国立天文台の一覧で、88星座の中でいちばん面積が大きいのは、長い体の水蛇をかたどったうみへび座である。その背中の上に、からす座(烏座)とコップ座が乗っている。この三つは一つの話でつながっている。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、アポロンがいけにえを捧げるとき、自分が目をかけていたカラスを、清い水を汲みに泉へやった。ところがカラスは途中で、まだ青いイチジクの木を見つけ、熟すのを待って枝にとまりこんだ。何日もたって実が熟し、それを食べてから、ようやく水の入った鉢を持って急いで戻ってきた。待たされたアポロンは別の水を使うはめになり、罰として、イチジクが熟すあいだカラスが水を飲めないようにした。そのカラスの渇きを示すために、アポロンは鉢と、カラスを鉢に近づけまいとする水蛇を星にした、という。コップ座の Crater はギリシャ語でぶどう酒を水で割るための大きな鉢のことで、語源辞典によれば、火山の噴火口や月の表面の穴を「クレーター」と呼ぶのも、この言葉から来ている。同じ本は、カラスはもとは白かったが、アポロンの恋人の浮気を告げ口して、黒くされたという話も伝えている。

ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

元になった神話

アポロン弓・神託・音楽・疫病を司るゼウスとレトの子。『イリアス』は彼が放つ疫病の矢から始まり、トロイア側に立ってパトロクロスを打ち倒し、アキレスの死にも関わる。デルポイの神託の主でもある。

アポロンから来たほかの言葉