出典 · 古典期(悲劇・歴史)
アウリスのイピゲネイア
エウリピデス · 前405年(没後上演) · Iphigenia at Aulis
日本語訳: 松平千秋・久保正彰・岡道男編『ギリシア悲劇全集』岩波書店、1990-93(全13巻+別巻) / 丹下和彦訳『エウリピデス 悲劇全集』京都大学学術出版会(西洋古典叢書)、2012-16 · 原文・参考リンク ↗
この出典が語っていること
アルテミス
- アウリスで艦隊を足止めし、アガメムノンの娘イピゲネイアの犠牲を要求した。『イリアス』にはこの話は無く、失われた叙事詩『キュプリア』の梗概と悲劇に見える。 (『キュプリア』梗概(プロクロス)。エウリピデス『アウリスのイピゲネイア』1578-1612 では最後に鹿とすり替えられる)
- 関係: enemy → agamemnon (『キュプリア』梗概。アガメムノンが鹿を射て自慢したことに怒り、アウリスで艦隊を止めた)
アウリス
- 悲劇ではアウリスは待機と決断の場になる。アイスキュロス『アガメムノン』の合唱歌は、風の止んだ港で軍が飢えていく様子から犠牲までを一気に語る。エウリピデス『アウリスのイピゲネイア』は劇の全体をこの港に据える。 (『アガメムノン』184-249 / 『アウリスのイピゲネイア』全体)
クリュタイムネストラ
- 関係: parent → iphigenia (『アウリスのイピゲネイア』でアウリスまで娘を連れてくる)
イピゲネイア
- エウリピデス『アウリスのイピゲネイア』では、騙されて連れてこられた娘が途中で心を変え、ギリシャのために自ら進んで死ぬと宣言する。犠牲者ではなく主体として描き直されている。 (1368-1401)
- 『アウリスのイピゲネイア』の末尾には、使者が鹿の身代わりを報告する場面がある。ただしこの結末の真正性は古くから疑われ、標準校訂版は 1532 行以降(とくに韻律の乱れる 1578 行以降)を後代の加筆として角括弧に入れる。上演された形はイピゲネイアが自ら犠牲に赴く 1531 行で終わっていたとする見方が有力。 (1532-1629(鹿の身代わりを伝える使者の報告)。ディグル校訂 OCT はこの部分を加筆として括弧に入れる)
- エウリピデス『アウリスのイピゲネイア』で、アガメムノンは一度は軍を解散させようとしたが弟メネラオスに説き伏せられ、アキレウスとの結婚を口実に娘を送れと妻に手紙を書いた、と語る。 (80-105)
- 関係: child → clytemnestra (母がアウリスまで付き添う)
- 関係: sibling → electra (アガメムノンの娘として)
- 関係: courted_by → achilles (アキレウスとの結婚を口実に呼び寄せられた。本人の同意のない、名前だけの縁談だった)