出典 · 古典期(悲劇・歴史)
鳥
アリストパネス · 前414年上演 · Birds
喜劇。693-702 で合唱隊(鳥)が、夜(ニュクス)の産んだ卵からエロスが生まれたというパロディの宇宙創成を歌う。行番号で参照する。
この出典が語っていること
カオス
- 喜劇『鳥』では、合唱隊の鳥たちが「最初にカオスと夜とエレボスとタルタロスがあった」と歌い、夜が産んだ卵からエロスが生まれ、エロスが翼あるカオスと交わって鳥の一族が生まれた、だから鳥こそ神々より古い、と主張する。ヘシオドスの系譜を下敷きにしたパロディ。 (693-703)
エレボス
- 喜劇『鳥』の宇宙創成のパロディでも「最初にカオスと夜と黒いエレボスと広いタルタロスがあった」と、原初の存在として名が挙がる。 (693-694)
エロス
- 喜劇『鳥』では、黒い翼の夜が産んだ風の卵から黄金の翼のエロスが孵ったとされる。 (693-697)
ニケ
- 喜劇『鳥』では「ニケは黄金の二つの翼で飛ぶ、エロスもそうだ」と、翼のある神々の代表として名が挙がる。前5世紀末のアテナイでは、翼のあるニケの姿がすでにおなじみだったことがうかがえる。 (574)
ニュクス
- 喜劇『鳥』では「黒い翼の夜」がエレボスの懐で風の卵を産み、そこから黄金の翼のエロスが孵ったと歌われる。後代の「宇宙卵」の神話と比べられる一節。 (693-697)
- 関係: parent → eros (693-697 夜が産んだ卵からエロスが生まれたとする喜劇のパロディ。ヘシオドスの系譜とは異なる)
プロクネ
- アポロドーロスでは、プロクネはナイチンゲール、ピロメラはツバメ、テレウスはヤツガシラになる。息子を失って嘆き続ける鳥がナイチンゲール、という組み合わせ。アリストパネス『鳥』でも、ヤツガシラ(テレウス)の連れ合いのナイチンゲールが「イテュスの運命を嘆いて」歌う。 (アポロドーロス 3.14.8、『鳥』209-222)
- この話を舞台にかけたソポクレスの悲劇『テレウス』は失われたが、パピルスに残る梗概から筋が分かる。前414年のアリストパネス『鳥』には、ヤツガシラになったテレウスが「ソポクレスは悲劇で私をひどく扱う」とこぼす場面がある。 (梗概は P.Oxy. 3013。『鳥』100-102)
テレウス
- アリストパネスの喜劇『鳥』(前414年)では、かつてテレウスだったヤツガシラが、鳥の国をつくる二人のアテナイ人を迎える。登場してすぐ「ソポクレスは悲劇で私をこんな目に遭わせる」とぼやき、連れ合いのナイチンゲールを呼び出して歌わせる。 (100-102(ソポクレスへのぼやき)、209-222(ナイチンゲールへの呼びかけ))