出典 · 古典期(悲劇・歴史)
蛙
アリストパネス · 前405年上演 · Frogs
喜劇。ディオニュソスが死んだ悲劇詩人エウリピデスを連れ戻しに冥界へ下る。冥界への道案内をヘラクレスに尋ね、カロンの舟で湖を渡る。
この出典が語っていること
アイアコス
- アリストパネスの喜劇『蛙』では、冥界のプルトンの館を訪ねたディオニュソスがヘラクレスを名乗ると、門番(役名アイアコス)が「犬のケルベロスを盗んだ悪党め」とののしり、コキュトスの猟犬やエキドナに腹わたを裂かせると脅す。 (460-482)
- 関係: servant → hades (アポロドーロス3.12.6 死後もプルトンの館で敬われ、ハデスの鍵を預かる。『蛙』464以下 門番として登場)
カロン
- 前5世紀のアテナイでは、カロンは舞台でもおなじみの存在だった。エウリピデス『アルケスティス』では、死にゆくアルケスティスが、竿を手に湖に浮かぶ二本櫂の舟から「何をぐずぐずしている」と急かすカロンの幻を見る。アリストパネスの喜劇『蛙』では、冥界へ行くディオニュソスがカロンの舟で湖を渡り、渡し賃は「2オボロス」とされる。 (『アルケスティス』252-257 /『蛙』139-141(渡し賃)、180 以下(カロン登場))
- 死者の口に硬貨を入れて葬る習慣は「カロンの渡し賃」と結びつけて説明されてきた。ただし、この習慣の広がりや、どの時代・地域でカロンと結びついたかは考古学上も議論がある。 (『蛙』139-141 は渡し賃の額に触れるだけで、口に含ませる習慣には触れていない。習慣の考古学的な出典は未確認)
レテ
- プラトンより少し前、アリストパネス『蛙』(前405年)にも「レテの野」という言い方が出てくる。前5世紀末のアテナイで、すでに冥界の地名として通じていたことがうかがえる。 (186。プラトン『国家』621a へのショーリー訳の注がこの行を参照しており、それに拠った。『蛙』本文の該当行は直接確認していない)