ギリシャ神話が語源の言葉

さそり座

棍棒を振り上げる狩人の姿で描かれたオリオン座。バイエルの星図。
棍棒を振り上げる狩人の姿で描かれたオリオン座。バイエルの星図。ヨハン・バイエル『オリオン座(『ウラノメトリア』)』1661年刷(コモンズの説明による)・Public domain

さそり座(蠍座)のサソリは、狩人オリオンを刺し殺したサソリである。ヒュギヌスの『天文譜』によれば、狩りの腕に自信を持ったオリオンは、女神アルテミスとその母に向かって、大地から生まれるものなら何でも仕留めてみせると言い放った。怒った大地がサソリを送り、オリオンは殺される。ゼウスはこのサソリを星にした。自分の力を過信するなという、人間への戒めである。オリオンもアルテミスの願いで星になったが、サソリが昇るとオリオンが沈むように置かれた。紀元前3世紀のアラトスの詩『星辰譜』では、話が少し違う。オリオンがアルテミスの衣に手をかけたので、女神が島の丘を裂いてサソリを呼び出したのだという。どちらの話も、サソリが東から昇るころオリオンが西へ逃げるように沈む、という空の動きの説明で終わる。英語の Scorpio はラテン語で「サソリ」の意味で、14世紀後半から。語源辞典によれば、1922年から国際天文学連合の正式な学名は Scorpius になり、Scorpio のほうは星占いの言葉として残った。

ローマ期天文譜ヘレニズム星辰譜(パイノメナ)近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

元になった神話

オリオン巨人の狩人。『イリアス』ではすでに星座として空にあり、『オデュッセイア』では曙の女神エオスに選ばれたためにアルテミスに射殺され、冥界でも獣を追い続けている。死に方は出典ごとに大きく違い、サソリに刺されたという話から、サソリ座が昇るとオリオン座が沈むという星の動きの説明が生まれた。

オリオンから来たほかの言葉