てんびん座

星占いの12星座を並べてみると、てんびん座(天秤座)だけが、動物でも人でもない道具の星座だと気づく。わけがある。古代ギリシャには、この星座は無かった。語源辞典によれば、ギリシャではこのあたりの星は、となりのサソリの「はさみ」と呼ばれていた。狩人オリオンを刺し殺した、あのさそり座のサソリである。それをローマ人が天秤の星座として独り立ちさせた。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』も、サソリは体が大きすぎるので二つの星座に分けられ、その片方を「われわれは天秤と呼んだ」と書いている。十二の星座の帯を指す英語 zodiac は、もとはギリシャ語で「小さな動物たちの輪」という意味だ。ギリシャ人の数え方ではサソリとそのはさみで一組だったから、天秤が混じっていても困らなかったわけである。英語の Libra はラテン語で「天秤」で、重さの単位「ポンド」も意味した。星座の名としては古英語の終わりごろから使われている。
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