ギリシャ神話が語源の言葉

てんびん座

棍棒を振り上げる狩人の姿で描かれたオリオン座。バイエルの星図。
棍棒を振り上げる狩人の姿で描かれたオリオン座。バイエルの星図。ヨハン・バイエル『オリオン座(『ウラノメトリア』)』1661年刷(コモンズの説明による)・Public domain

星占いの12星座を並べてみると、てんびん座(天秤座)だけが、動物でも人でもない道具の星座だと気づく。わけがある。古代ギリシャには、この星座は無かった。語源辞典によれば、ギリシャではこのあたりの星は、となりのサソリの「はさみ」と呼ばれていた。狩人オリオンを刺し殺した、あのさそり座のサソリである。それをローマ人が天秤の星座として独り立ちさせた。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』も、サソリは体が大きすぎるので二つの星座に分けられ、その片方を「われわれは天秤と呼んだ」と書いている。十二の星座の帯を指す英語 zodiac は、もとはギリシャ語で「小さな動物たちの輪」という意味だ。ギリシャ人の数え方ではサソリとそのはさみで一組だったから、天秤が混じっていても困らなかったわけである。英語の Libra はラテン語で「天秤」で、重さの単位「ポンド」も意味した。星座の名としては古英語の終わりごろから使われている。

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元になった神話

オリオン巨人の狩人。『イリアス』ではすでに星座として空にあり、『オデュッセイア』では曙の女神エオスに選ばれたためにアルテミスに射殺され、冥界でも獣を追い続けている。死に方は出典ごとに大きく違い、サソリに刺されたという話から、サソリ座が昇るとオリオン座が沈むという星の動きの説明が生まれた。

オリオンから来たほかの言葉