へびつかい座

へびつかい座は、蛇を両手で抱える男の姿の星座で、その男は医術の神アスクレピオスだとする星の学者が多かった。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、アスクレピオスは人間の中で並ぶ者のない名医だったが、痛みを和らげるだけでは満足できず、ついには死んだ人まで生き返らせた。継母の企みと父の思い違いで命を落とした若者を治したのが、その最後だったという。ゼウスはこれを罪として雷で彼の家を焼いたが、その技と父アポロンに免じて、蛇を持つ姿で星のあいだに置いた。なぜ蛇を持っているのかについて、同じ本はこんな話も伝える。クレタ王ミノスの死んだ息子を治すよう命じられ、杖を手に考え込んでいると、蛇が杖に這い寄ってきた。杖で打ち殺すと、もう一匹の蛇が薬草をくわえて現れ、死んだ蛇の頭にのせた。すると二匹とも逃げていった。その草で、彼は少年を生き返らせた。こうして蛇はアスクレピオスに守られる生き物として星にもなり、医者が蛇を使う習わしもそこから始まったという。ただし、この星座をヘラクレスなど別の人物とする説も並べられている。英語の Ophiuchus はギリシャ語で「蛇を持つ者」の意味で、1650年代から。語源辞典によれば、この星座は今の境界では黄道の帯に入り込んでいて、太陽は11月30日ごろから12月18日ごろまでここを通る。
ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト
