ギリシャ神話が語源の言葉

くじら座

海の怪物への生贄として、岩につながれたアンドロメダ。
海の怪物への生贄として、岩につながれたアンドロメダ。エドワード・ポインター『アンドロメダ』1869年・Public domain

くじら座(鯨座)は日本語では「くじら」だが、もとは鯨ではなく海の怪物である。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、海の神ポセイドンが王女アンドロメダを殺させるために送り込んだ怪物で、英雄ペルセウスに退治されたあと、その体の途方もない大きさと、倒したペルセウスの勇気をたたえて星にされた。同じ空には、岩につながれたアンドロメダも、救ったペルセウスも、王女の両親も、みな星座になっている。学名の Cetus はギリシャ語の kētos から来ていて、語源辞典によれば「鯨」とも「海の怪物」とも訳される、由来の分からない言葉である。この言葉は生物学にも残っていて、鯨の仲間をまとめた分類の学名 Cetacea(1795年から)は、ラテン語 cetus「大きな海の生き物」を経て、この kētos から作られた。怪物の名が、いまは鯨の仲間全体の名前になっているわけだ。

ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

元になった神話

アンドロメダエチオピア王ケペウスとカシオペイアの娘。母が海のニンフより美しいと誇ったため、海の怪物への生贄として岩に縛られ、通りかかったペルセウスに救われて妻となった。一家そろって星座になっている。

アンドロメダから来たほかの言葉