出典 · 古典期(悲劇・歴史)
ヘカベ
エウリピデス · 前424年頃 · Hecuba
日本語訳: 松平千秋・久保正彰・岡道男編『ギリシア悲劇全集』岩波書店、1990-93(全13巻+別巻) / 丹下和彦訳『エウリピデス 悲劇全集』京都大学学術出版会(西洋古典叢書)、2012-16 · 原文・参考リンク ↗
この出典が語っていること
ヘカベ
- 落城後の運命として、最後に犬(あるいは雌犬)に姿を変えたと語られる。オウィディウスでは、末子ポリュドロスを殺したトラキア王ポリュメストルの目を抉ったのち犬になる。 (『変身物語』13.399-575(犬になるのは 13.565-571)、エウリピデス『ヘカベ』1259-1273 でポリュメストルが犬への変身を予言する)
- 『ヘカベ』で、末子ポリュドロスは黄金とともにトラキア王ポリュメストルに預けられていたが、落城後に黄金目当てに殺されて海に捨てられる。ヘカベはポリュメストルを天幕に誘い込み、女たちとその二人の子を殺し、王の目をつぶす。 (1-58、1035-1055)
- 関係: parent → polyxena (娘ポリュクセネの犠牲を止められない母として描かれる)
ネオプトレモス
- 父の墓前でトロイアの王女ポリュクセネを犠牲に捧げる。エウリピデス『ヘカベ』では、彼女が自ら胸をはだけて堂々と死を受け入れ、見ていた軍勢が感嘆する場面として描かれる。 (『イリオスの陥落』要約 / 『ヘカベ』518-582)
- 関係: killed → polyxena (『イリオスの陥落』要約、エウリピデス『ヘカベ』518-582。父の墓前の犠牲)
ポリュクセネ
- 落城後、アキレウスの亡霊が自分の取り分を求めて風を止めたため、その墓前でネオプトレモスの手で殺される。犠牲獣ではなく人間を屠るという点で、悲劇では繰り返し問題にされる。 (『ヘカベ』107-125(軍議)、518-581(死の報告)、アポロドーロス摘要 5.23、『イリオスの陥落』要約)
- エウリピデスでは、奴隷として生きるより死を選ぶと言い切り、殺される瞬間に衣を裂いて胸をあらわにし、倒れ方まで整えて死ぬ。この毅然とした最期は古代から名高い場面。 (342-378(死の選択)、518-581(タルテュビオスの報告))
- 関係: child → priam (劇中一貫してプリアモスの娘)
- 関係: child → hecuba (母娘の別れが劇の中心)
- 関係: killed_by → neoptolemus (『ヘカベ』518-581(伝令の報告)、アポロドーロス摘要 5.23)
- 関係: enemy → achilles (アキレウスの亡霊が戦利品として彼女を要求する(37-44, 107-125))