こと座

七夕の織り姫星として知られるベガは、こと座(琴座)の1等星である。その琴は、ギリシャ神話では竪琴の名手オルフェウスの竪琴だ。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、この竪琴はヘルメスが亀の甲羅から作ったもので、やがてオルフェウスの手に渡った。オルフェウスはその音色で獣まで引き寄せ、亡くなった妻を追って冥界にまで下った。ところが冥界で神々をたたえて歌ったとき、酒の神ディオニュソスだけをほめ忘れた。のちにこの神は信女たちをけしかけ、オルフェウスは引き裂かれて死ぬ。ムーサたちがその体を集めて葬り、アポロンとゼウスの許しを得て、竪琴を星のあいだに置いた。英語で Lyra が星座の名として見えるのは1650年代から。ベガの名はアラビア語から来ていて、「砂漠の鷲」とも「舞い降りるハゲワシ」とも訳される。
ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト
