ギリシャ神話が語源の言葉

こと座

竪琴を弾くオルフェウスと、聞き入る動物たち。ローマ時代のモザイク。
竪琴を弾くオルフェウスと、聞き入る動物たち。ローマ時代のモザイク。作者不詳(ローマ時代の床のモザイク)『動物たちに囲まれたオルフェウス』写真は2006年・Public domain

七夕の織り姫星として知られるベガは、こと座(琴座)の1等星である。その琴は、ギリシャ神話では竪琴の名手オルフェウスの竪琴だ。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、この竪琴はヘルメスが亀の甲羅から作ったもので、やがてオルフェウスの手に渡った。オルフェウスはその音色で獣まで引き寄せ、亡くなった妻を追って冥界にまで下った。ところが冥界で神々をたたえて歌ったとき、酒の神ディオニュソスだけをほめ忘れた。のちにこの神は信女たちをけしかけ、オルフェウスは引き裂かれて死ぬ。ムーサたちがその体を集めて葬り、アポロンとゼウスの許しを得て、竪琴を星のあいだに置いた。英語で Lyra が星座の名として見えるのは1650年代から。ベガの名はアラビア語から来ていて、「砂漠の鷲」とも「舞い降りるハゲワシ」とも訳される。

ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

元になった神話

オルフェウス竪琴と歌で獣や木や岩まで動かしたトラキアの詩人。亡くした妻エウリュディケを連れ戻しに冥界へ下るが、地上の手前で振り返って再び失う。この「振り返る」結末がまとまった物語として読めるのはウェルギリウスとオウィディウスからで、オペラ・映画でもっとも多く翻案されたギリシャ神話の一つ。

オルフェウスから来たほかの言葉