はくちょう座

はくちょう座(白鳥座)の白鳥は、ゼウスが化けた姿である。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、ゼウスは女神ネメシスに恋をしたが、相手にされなかった。そこで一計を案じ、アフロディーテに鷲の姿で自分を追わせ、自分は白鳥になって、鷲から逃げるふりをしてネメシスのもとへ飛び込んだ。女神は白鳥を抱きかかえたまま眠ってしまい、ゼウスは思いを遂げて飛び去った。ゼウスはこの話が作り話と言われないように、飛ぶ白鳥と、それを追う鷲を、そのまま空に置いたという。やがてネメシスは卵を産み、ヘルメスがそれをスパルタへ運び、座っていたレダのひざに投げ入れた。そこから生まれたのが、のちの絶世の美女ヘレネである。ただし同じ本は、白鳥になったゼウスと結ばれたのはレダ自身だ、という説もあると書き添えている。星座の学名 Cygnus はラテン語で「白鳥」の意味で、ギリシャ語の kyknos から来ている。星座でいちばん明るい星デネブの名は、アラビア語で「めんどりの尾」の意味である。
ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト
