ギリシャ神話が語源の言葉

ボスポラス海峡

雲の姿のゼウスに抱かれるイオ。コレッジョの絵。
雲の姿のゼウスに抱かれるイオ。コレッジョの絵。コレッジョ『ユピテルとイオ』1530年ごろ・Public domain

黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡の名は、ギリシャ語で「牛の渡し」という意味になる。この名は昔、いくつかの海峡に使われた呼び名で、とくにこの海峡を指した。牛と海峡を結びつけたのが、ゼウスに愛されたために雌牛に変えられ、各地をさまよった娘イオの話である。アイスキュロスの悲劇『縛られたプロメテウス』では、プロメテウスがイオに、あなたが渡った海峡は後の世までボスポロスと呼ばれるだろうと予言する。ただし劇の中の海峡は、黒海とアゾフ海を結ぶ別の海峡(キンメリアのボスポロス)で、いまのボスポラス海峡ではない。

近現代オンライン語源辞典古典期縛られたプロメテウス

元になった神話

イオアルゴスのヘラの女神官。ゼウスに愛され、ヘラの目を逃れるため白い牝牛に変えられた。百眼の番人アルゴスに見張られ、ヘルメスがアルゴスを討った後もアブに追われて世界をさまよい、エジプトで人の姿に戻って子エパポスを生む。イオニア海やボスポロス海峡の名の由来譚になり、木星の衛星イオの名にもなった。

イオから来たほかの言葉