アジア

アジアという地名にも、神話がからんでいる。紀元前5世紀のヘロドトスは『歴史』で、ギリシャ人の多くは、アジアはプロメテウスの妻アシアの名から来たと言っている、と書き留めた。ただし小アジアのリュディア人はこれに異を唱え、自分たちの祖先の一人の男の名から来たのだと主張していたという。ヘロドトス自身は、世界を分けて名前を付けたのがだれで、その名をどこから取ったのかは分からない、と正直に書き、結局は慣れた呼び方を使うことにした。一方、今の語源辞典は、アッカド語の「(日が)昇る」から来た「日の出の国」という推測を紹介している。古いギリシャ人はのちに小アジアと呼ばれる地域をこう呼び、大陸全体を指すようになったのはローマのプリニウスからである。
