トリカブト

猛毒の草トリカブトは、英語でアコニット(aconite)という。ギリシャ語 akoniton から来た言葉で、語源辞典はもとの意味は分からないとしている。この毒草の生まれを語るのが、オウィディウスの『変身物語』である。ヘラクレスが冥界の番犬ケルベロスを地上へ引きずり出したとき、日の光を嫌がって暴れた犬は、三つの口で吠えながら白い泡を野に飛び散らせた。その泡が固まって、毒の力を持つ草になったという。硬い岩の上に根づいて生きるので、田舎の人はこれをアコニタと呼ぶ、とも詩は言う。この毒を使って、魔女メデイアはアテネに着いたばかりの若者テセウスを殺そうとし、父王が剣の柄の紋で息子と気づいて杯を払い落とした。
