出典 · ローマ期
ローマ古代誌
ハリカルナッソスのディオニュシオス · 前7年頃 · Roman Antiquities
ギリシャ語で書かれたローマ史。1.46-64 がアエネアスの脱出から死まで。1.49-53 の航路はウェルギリウスと違い、カルタゴに寄らない。1.68-69 にパラディオンの諸説。
この出典が語っていること
クマエのシビュラ
- アイネイアスはシビュラに、自分の国に神殿を建て、民に告げられた彼女の予言を納めて選ばれた者に守らせると約束する。ローマではのちに予言集「シビュラの書」が保管された。ハリカルナッソスのディオニュシオスは、異国の女がタルクィニウス王に予言の書9巻を売りに来て、断られるたびに3巻ずつ焼き、最後に残った3巻を言い値で買わせた話を伝える。ただしディオニュシオスはこの女をクマエのシビュラとは呼んでいない。 (『アエネイス』6.71-74。ディオニュシオス 4.62.1-5)
パラディオン
- 叙事詩環のアルクティノスは、ゼウスがダルダノスに与えたパラディオンは一つだけで、それは落城まで神殿の奥に隠されていた、表に出ていたのは盗もうとする者を欺くために作った寸分違わぬ写しで、ギリシャ勢が持ち去ったのはその写しだった、と語ったと伝えられる。 (ディオニュシオス 1.69.3 がアルクティノス(『イリオスの陥落』の作者とされる)の説として引く)
- ディオニュシオスによれば、落城のときアイネイアスは城砦を押さえて大いなる神々の像と残っていたパラディオンを持ち出し、イタリアへ運んだ(オデュッセウスとディオメデスが盗んだのはもう一つのほうだという)。このパラディオンはローマのウェスタの神殿で、聖なる火とともに乙女の巫女たちが守っていると伝えられる。 (1.69.2-4)
- 関係: owned_by → aeneas (1.69.2-4 落城のときアイネイアスが城砦から持ち出し、イタリアへ運んだとする説)
アイネイアスの漂流
- ウェルギリウスと同時代のギリシャ人歴史家ディオニュシオスが伝える航路は、トラキアのパレネ半島→デロス→キュテラ→ザキュントス→レウカスとアクティウム→ブトロトン→イタリア南端→シチリア→ラウレントゥムで、カルタゴには寄らない。ディオニュシオスは、アイネイアスがトラキアで死んだ、アルカディアに住んだという説もあると並べている。 (1.49-53(航路)、1.49.1-2(トラキアで死んだ説、アルカディア説))