出典 · ローマ期
神々の本性について
キケロ · 前45年 · De Natura Deorum
2.64 でストア派の寓意解釈としてサトゥルヌス=クロノス=クロノス(時間、spatium temporis)を説き、子を呑む話を「時が年月を喰らう」ことの比喩とする。
この出典が語っていること
エロス
- キケロ『神々の本性について』は、ギリシャの古い伝えとしてクピドが三人いたと紹介する。メルクリウスとディアナの子、メルクリウスとウェヌスの子、マルスとウェヌスの子(アンテロスと同じ)の三人。出自の説がいかに割れていたかを示す一節。 (3.60)
クロノス
- 神名クロノス Κρόνος と「時間」を意味する Χρόνος は、語源辞典によれば民間語源を除いて関係の無い別語(κ と χ で頭音が違う)。それでも両者を重ねる解釈は古代からあり、キケロはストア派の寓意として「ギリシャ人の言うクロノスは χρόνος すなわち時間の広がりのことであり、子を呑むとは時が年月を喰らうことだ」と説明する。これがローマのサトゥルヌスに引き継がれ、「時を司り、わが子を喰らう老人」という西洋美術の図像を生んだ。語源の節も参照。 (キケロ『神々の本性について』2.64(サトゥルヌスは季節と時の巡りを司る者、Κρόνος は χρόνος すなわち spatium temporis、saturaretur annis の語呂合わせ)。両語が別語であることは etymonline『Cronus』の項「起源不詳だが、民間語源を除けばおそらく時間の擬人 Khronos とは関係が無い」)