ギリシャ神話が語源の言葉

フォボスとダイモス

火星の衛星

火星の衛星フォボス(NASA の探査機の写真)
火星の衛星フォボス(NASA の探査機の写真)NASA/JPL-Caltech/アリゾナ大学(HiRISE)『火星の衛星フォボス(カラー画像)』2008年3月23日撮影・Public domain

火星には、フォボスとダイモスという小さな衛星が二つある。NASAによれば、どちらも1877年8月にアメリカの天文学者アサフ・ホールが見つけ、火星の名のもとになったローマの軍神マルスにあたるギリシャの神アレスの、神話の息子たちの名を付けた。フォボスは「恐れ」、ダイモスは「おののき」の意味である。『イリアス』では、息子を殺されて怒ったアレスが、この二人に命じて自分の戦車に馬をつながせる。軍神の供をする二人が、そのまま火星のまわりを回っているわけだ。フォボスでいちばん目立つ大きなクレーターには、ホールの妻で数学者のクロエ・アンジェリーン・スティックニー・ホールの名が付いている。JAXAの火星衛星探査計画MMXは、このフォボスに降りて表面の試料を採り、地球へ持ち帰ることを目指している。

近現代NASA公式サイトホメロスイリアス近現代火星衛星探査計画(MMX)(JAXA宇宙科学研究所)

元になった神話

ポボスとデイモス軍神アレスとアフロディーテの息子たちで、戦場で兵の隊列を崩す「敗走(ポボス)」と「恐怖(デイモス)」の神。ヘシオドスが系譜を記し、『イリアス』ではアレスに付き従って戦車に馬をつなぎ、アガメムノンの盾にも描かれる。1877年に見つかった火星の二つの衛星は、この兄弟の名をもらった。英語の phobia(〜フォビア、恐怖症)も同じ言葉から来ている。

ポボスとデイモスから来たほかの言葉