ギリシャ神話が語源の言葉

フィロメル

ナイチンゲールの詩語

プロクネと妹ピロメラが、テレウス王に息子イテュスの首を見せる場面。ルーベンスの原画による版画。
プロクネと妹ピロメラが、テレウス王に息子イテュスの首を見せる場面。ルーベンスの原画による版画。ルーベンスの原画による版画(コルネリス・ハレ刊)『息子イテュスの首をテレウスに見せるプロクネ』1630〜1650年・CC0

英語の詩で「ナイチンゲール」を指す philomel は、1570年代からの語。それ以前は中世ラテン語 Philomena を経た Philomene の形で、チョーサーからスペンサーの頃まで使われた。元はパンディオンの娘ピロメラの名。ギリシャ語の伝え(アポロドーロス 3.14.8)ではピロメラはツバメになるが、ラテン語の伝え(ヒュギヌス 45)ではナイチンゲールになり、英語の詩語はこちらと一致する。名の意味は「おそらく歌を愛する者」とされる。

近現代オンライン語源辞典ローマ期ビブリオテーケー(ギリシア神話)ローマ期神話集(ファブラエ)

元になった神話

ピロメラアテナイ王パンディオンの娘で、プロクネの妹。姉の夫テレウスに辱められ、口外できないよう舌を切られて閉じ込められたが、機に文字を織り込んで姉に知らせた。姉とともにテレウスへ恐ろしい復讐を果たし、鳥に変わる。ラテン語の伝えではナイチンゲールになり、英語の詩語「フィロメル」はここから来ている。