ギリシャ神話が語源の言葉

エレクトリック

電気

太陽の車から墜ちるパエトン。ピーテル・パウル・ルーベンスの作。
太陽の車から墜ちるパエトン。ピーテル・パウル・ルーベンスの作。ピーテル・パウル・ルーベンス『パエトンの墜落』1604〜1605年ごろ・Public domain

英語の electric(電気の)は、ギリシャ語の ēlektron「琥珀」から来ている。1600年、ウィリアム・ギルバートが、こすると物を引きつける琥珀のような力を、ラテン語で「琥珀のような」という意味の electricus と呼んだのが始まりで、英語では1640年代から electric、electricity が使われた。電気は、はじめ琥珀をこすって起こしたからである。その琥珀の起こりを、ローマの詩人オウィディウスは神話で語っている。太陽神の馬車を暴走させて命を落とした少年パエトンの姉妹は、弟の墓の前で何か月も嘆き続けるうちに木に変わった。木になっても流れ続けた涙は、枝から滴って日の光に固まり、琥珀になった。琥珀は川の流れに乗って遠くへ運ばれ、ラテンの女たちを飾ったという。

近現代オンライン語源辞典ローマ期変身物語

元になった神話

パエトン太陽神の息子。父に頼み込んで太陽の車を一日だけ御したが、馬を制御できず天地を焼き、ゼウスの雷に撃たれてエリダノス川に落ちた。嘆く姉妹たちはポプラに変わり、その涙が琥珀になった。有名な物語はオウィディウスの形で、ヘシオドスには同名の別人しか出てこない。

パエトンから来たほかの言葉