ギリシャ神話が語源の言葉

りゅう座

黄金の林檎の木の下でまどろむヘスペリデスと、木に巻きつく竜。レイトンの絵。
黄金の林檎の木の下でまどろむヘスペリデスと、木に巻きつく竜。レイトンの絵。フレデリック・レイトン『ヘスペリデスの園』1892年ごろ・Public domain

北の空で、おおぐま座とこぐま座のあいだに長い体をくねらせているのが、りゅう座(竜座)の竜である。ローマ時代のヒュギヌスの『天文譜』によれば、この竜は、黄金のりんごを守っていた竜だ。ゼウスとヘラの結婚のとき、大地の女神が黄金のりんごを枝ごと贈り、ヘラはそれを、アトラス山のあたりまで広がる自分の庭に植えさせた。ところがアトラスの娘たちがたびたび実をもいでしまうので、ヘラはこの竜を見張りに置いた。英雄ヘラクレスがりんごを取りに来て竜を倒すと、ヘラは竜を星のあいだに置いた。空で竜のすぐ上に、ひざをついたヘラクレスの星座が見えるのがその証拠だ、と同じ本は言う。巨人族との戦いでアテナに投げつけられた竜を、アテナがつかんで天の軸に放り上げたのだという説も紹介されている。学名の Draco はラテン語で「大蛇、竜」の意味で、語源辞典によれば古代から竜の姿とされてきた星座である。

ローマ期天文譜近現代オンライン語源辞典近現代国立天文台 公式サイト

元になった神話

ヘスペリデス世界の西の果て、オケアノスの向こうで黄金の林檎の木を守るニンフたち。ヘラクレスの第十一の功業はこの林檎を持ち帰ることで、すぐそばでは巨人アトラスが天空を支えている。