ギリシャ神話が語源の言葉

アネモネ

狩りに出ようとするアドニスと、引き止める愛の女神。ルーベンスの絵。
狩りに出ようとするアドニスと、引き止める愛の女神。ルーベンスの絵。ピーテル・パウル・ルーベンス『ウェヌスとアドニス』17世紀前半・Public domain

春の花アネモネの名は、ギリシャ語で「風の娘」、つまり風の花という意味になる。語源辞典は、風が吹くときだけ開くと考えられたからという説明を紹介している。この花の名と風とを結びつけて語ったのが、オウィディウスの『変身物語』である。猪に突かれて死んだ美少年アドニスの血に、女神アフロディーテが神々の飲み物ネクタルを注ぐと、ザクロの実のような色の花が咲いた。けれどもその花は長くはもたない。茎にしっかり付いていないうえに軽すぎて、名前を与えている当の風に散らされてしまう、と詩は結ばれる。英語では1550年代から見え、18世紀には海のイソギンチャク(sea anemone)にも使われるようになった。

近現代オンライン語源辞典ローマ期変身物語

元になった神話

アドニスアフロディーテに愛された美少年。狩りの途中で猪に突かれて死に、その血から花が咲いた。名前は東方の言葉で「主」を意味するとされ、女たちが死を悼む祭(アドニア)とともにギリシャに入ってきた神格。今も「アドニス」は美青年の代名詞であり、フクジュソウの属名でもある。

アドニスから来たほかの言葉