ギリシャ神話が語源の言葉

イージス艦

胸をおおう金色の防具の真ん中に、舌を出したゴルゴンの顔が描かれている。
胸をおおう金色の防具の真ん中に、舌を出したゴルゴンの顔が描かれている。グスタフ・クリムト『パラス・アテナ』1898年・Public domain

イージス艦は、多数の航空機やミサイルを同時に追いかけて迎え撃てる「イージス・システム」を積んだ軍艦のこと。システムを開発した米ロッキード・マーティン社によれば、艦対空ミサイル・システムの計画は、ゼウスの魔法の盾にちなんで AEGIS と名前を改め、1969年に始まった。ところが日本の百科事典は、イージスを「女神アテナの盾」と書いている。どちらが正しいのか。『イリアス』によれば、アイギスは鍛冶の神ヘパイストスがゼウスに与えた防具で、アテナもこれを肩にかけて戦場に出る。つまり両方とも神話のとおりである。海上自衛隊の最初のイージス艦「こんごう」は1993年に完成した。英語の aegis は1793年から、比喩として「保護」の意味でも使われている。

近現代AEGIS, Shield of the Fleet(ロッキード・マーティン社の沿革記事)近現代日本大百科全書(ニッポニカ)ホメロスイリアス近現代オンライン語源辞典

元になった神話

アイギスゼウスとアテナが持つ防具。『イリアス』では、房が百本垂れ、ゴルゴンの首と「潰走」「争い」が付いた、ヘパイストス作の不死の防具で、揺さぶると敵が敗走する。名は山羊(アイクス)と結びつけられ、ヘロドトスはリビュアの女たちの山羊革の衣に由来するとした。英語 aegis は「庇護」の意味になり、防空システムの名にもなった。