出典 · 古典期(悲劇・歴史)
パエトン(断片)
エウリピデス · 前5世紀後半 · Phaethon (fragments)
散逸した悲劇。断片781(Nauck²=Collard/Cropp)でクリュメネがヘリオスを「人が正しくもアポロンと呼ぶ」と呼びかける。アポロンとヘリオスの同一視の確実な最古例とされる。
この出典が語っていること
アポロン
- アポロンを太陽神とするのは後代の同一視で、ホメロス・ヘシオドスでは太陽はヘリオスという別の神である。確実にたどれる最古の同一視はエウリピデス『パエトン』の断片で、クリュメネーがヘリオスに「人が正しくもアポロンと呼ぶあなた」と呼びかける(名を「滅ぼす者」と解く語呂合わせ)。 (『オデュッセイア』12.260-402 の太陽神はヘリオス。『神統記』371-374 もヘリオスをヒュペリオンの子とする。エウリピデス『パエトン』断片781(Nauck²)。なお偽エラトステネス『星座誌』24 は、アイスキュロス(『バッサライ』)に拠りつつオルペウスがヘリオスをアポロンと呼んだと伝える)
ヘリオス
- ホメロス・ヘシオドスでは太陽神はヘリオスであり、アポロンとは別の神である。両者の同一視は前5世紀から現れ、確実にたどれる最古の例はエウリピデス『パエトン』の断片で、クリュメネーが息子を焼き殺したヘリオスに「人が正しくもアポロンと呼ぶあなた」と呼びかける。同一視はヘレニズム期以後、哲学とオルペウス教の文献で常套となる。 (『オデュッセイア』12.260-402 の太陽神はヘリオス。エウリピデス『パエトン』断片781(Nauck²=Collard/Cropp)。クリュメネーが息子を焼いたヘリオスを責め、「人は正しくもアポロンと呼ぶ」と言う。アポロン=「滅ぼす者(アポッリュミ)」と解く語呂合わせを含む)
パエトン
- 太陽の車の話を扱った古い作品に、前5世紀後半のエウリピデスの悲劇『パエトン』がある。散逸して断片しか残らないが、息子を焼かれた母クリュメネが太陽神を責める場面が伝わる。 (断片781(Nauck²=Collard/Cropp))
- 関係: child → helios (Met. 1.750-2.328(オウィディウスは父を Sol / Phoebus と呼ぶ)/ エウリピデスの断片では母クリュメネが太陽神を責める)