ギリシャ神話が語源の言葉

プリアピズム

持続勃起症

プリアポスの姿で表した「秋」の擬人像。上半身が人、下が柱になった大理石の像。ピエトロ・ベルニーニの作。
プリアポスの姿で表した「秋」の擬人像。上半身が人、下が柱になった大理石の像。ピエトロ・ベルニーニの作。ピエトロ・ベルニーニ『プリアポスの姿をした「秋」(対の一方)』1616〜17年・Public Domain (The Met Open Access, CC0)

性的な興奮とは関係なく、長い時間勃起が続いてしまう病気を、医学の言葉で持続勃起症、英語で priapism という。多くは痛みを伴い、白血病や腫瘍などほかの病気の一症状として現れることも多い。この名は、庭や畑を守る豊穣の神プリアポスから来ている。プリアポスは大きな男根を持つ姿で表される神で、語源辞典によれば、ギリシャ語にはその名から作った「みだらにふるまう」という動詞まであり、そこから病名が生まれた。英語では1620年代から使われている。

近現代オンライン語源辞典近現代ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典近現代日本大百科全書(ニッポニカ)

元になった神話

プリアポス庭やぶどう畑、家畜の番をする豊穣の神で、大きな男根をもつ姿で表される。ヘレスポントス海峡に面したランプサコスで特に敬われ、ディオニュソスとアフロディーテの子とされた。ストラボンは、ヘシオドスも知らない、後の時代に神とされた存在だと書く。オウィディウスでは、眠るニンフや女神ウェスタに忍び寄ったところをロバに鳴かれて失敗し、笑いものになる。英語の医学用語 priapism(持続勃起症)は彼の名から。