ギリシャ神話が語源の言葉

5月

星空を舞う七人姉妹プレイアデス。マイアはその長女にあたる。19世紀の油彩。
星空を舞う七人姉妹プレイアデス。マイアはその長女にあたる。19世紀の油彩。イライヒュー・ヴェダー『プレイアデス』1885年・Public Domain (The Met Open Access, CC0)

英語の May(5月)は、古フランス語を経て、ラテン語の「マイウスの月」から来ている。語源辞典は、そのもとをローマの大地の女神マイア(ウルカヌスの妻とされる)の名ではないか、と「かもしれない」の形で説明している。ローマの詩人オウィディウスは『祭暦』で、5月の名の由来を詩の女神たちに語らせた。答えは三つに割れ、「威厳」から、「年長者」から、そしてアトラスの娘でヘルメスの母マイアから、という説が並ぶ。最後の説では、ヘルメス(ローマのメルクリウス)が母の名を月に贈ったという。オウィディウス自身はどれが正しいか決めていない。

近現代オンライン語源辞典ローマ期祭暦

元になった神話

マイア巨人アトラスの娘で、七人姉妹プレイアデスの長女。アルカディアのキュレネ山の洞窟でゼウスと結ばれ、ヘルメスを産んだ。『ホメロス風讃歌』の「ヘルメス讃歌」では、生まれた日に牛を盗んできた赤ん坊を叱る母として描かれる。オウィディウス『祭暦』は、5月(Maius)の名の由来の一つとしてこのマイアを挙げる。