ギリシャ神話が語源の言葉

ハルシオン・デイズ

眠りの神の息子モルペウスが、死んだケユクスの姿になってアルキュオネの枕もとに現れる場面。アントニオ・テンペスタの作。
眠りの神の息子モルペウスが、死んだケユクスの姿になってアルキュオネの枕もとに現れる場面。アントニオ・テンペスタの作。アントニオ・テンペスタ『図版110 ケユクスの姿でアルキュオネの前に現れるモルペウス(オウィディウス『変身物語』の挿絵)』1606年・Public Domain (The Met Open Access, CC0)

「穏やかで平和な日々」の意味で使われる成句。もとは冬至のころの14日間の凪をいい、伝説の鳥ハルキュオン(カワセミ)が波の上の巣で卵を温める期間とされた。halcyon は1540年代から英語にあり、ラテン語 halcyon / alcyon、ギリシャ語 halkyon(alkyon の別形、カワセミ)から。語源は分からず、hals(海)+ kyon(身ごもる)とする説は古代の民間語源と考えられている。神話では夫ケユクスを失ってカワセミに変わったアルキュオネに結びつき、オウィディウスは巣ごもりの期間を7日とする。

近現代オンライン語源辞典ローマ期変身物語

元になった神話

アルキュオネ風の神アイオロスの娘で、トラキスの王ケユクスの妻。夫の難破を夢で知り、浜に流れ着いた亡骸に向かって身を投げると、カワセミ(ハルキュオン)に変わった。冬のさなか、カワセミが巣で卵を温める数日間は父アイオロスが風を封じて海が凪ぐ、という「ハルキュオンの日々」(halcyon days)の由来として語られる。