出典 · ヘレニズム期
オクシュリンコス・パピルス 4711(変身譚のエレゲイア詩断片)
作者不詳(ニカイアのパルテニオスに帰する説あり) · 前1世紀の作とする説(パピルス自体は1〜2世紀頃) · P.Oxy. LXIX 4711
アドニス・アステリエ・ナルキッソスの変身譚を含むギリシャ語エレゲイア詩の断片。Oxyrhynchus Papyri 第69巻で公刊。編者 W. B. Henry がパルテニオス『変身物語』に帰した。オックスフォード大学のオクシュリンコス・パピルス公式サイトの解説記事を併せて参照した。
この出典が語っていること
エコー
- ナルキッソスの物語にエコーを組み込んだのは、現存する資料ではオウィディウスが最初とされる。オウィディウスより前、または同時代のナルキッソス譚(コノン第24話、オクシュリンコス出土のパピルス断片)には、エコーが登場しない。 (詳しくは narcissus の各説を参照)
ナルキッソス
- オウィディウスより前の形とされるギリシャ語の詩の断片が、エジプトのオクシュリンコス出土のパピルスから見つかっている。ここでもエコーの痕跡はなく、ナルキッソスは自害し、その血からスイセンが生える。オックスフォード大学の解説は「今なじみのある形を与えたのはオウィディウスが最初だったかもしれない」とまとめている。 (P.Oxy. 4711。編者 W. B. Henry はパルテニオスの作とする)
- エコーとナルキッソスを一つの物語にしたのは、現存する資料ではオウィディウスが最初。それ以前の伝承(コノン、パピルス断片)にはエコーが出てこない。エコーの「他人の言葉の終わりしか繰り返せない」声を、自分の像しか愛せないナルキッソスと対にした構成は、オウィディウスの工夫と考えられている。 (Met. 3.356-401 / コノン第24話 / P.Oxy. 4711(オックスフォード大学オクシュリンコス・パピルス解説記事))