出典 · 古典期(悲劇・歴史)
エレクトラ
エウリピデス · 前420年頃 · Electra
日本語訳: 松平千秋・久保正彰・岡道男編『ギリシア悲劇全集』岩波書店、1990-93(全13巻+別巻) / 丹下和彦訳『エウリピデス 悲劇全集』京都大学学術出版会(西洋古典叢書)、2012-16 · 原文・参考リンク ↗
この出典が語っていること
エレクトラ
- エウリピデス『エレクトラ』では、王家の娘でありながら貧しい農夫に嫁がされている。名ばかりの結婚で、農夫は彼女に手を触れない。王宮から引き離された屈辱が動機になり、母を家へおびき寄せる計略を自ら立てる。 (34-53(農夫との結婚)、647-663(母をおびき寄せる計略))
- エウリピデス『エレクトラ』では、老人がアイスキュロス劇と同じ「墓の髪・足跡・織物」を持ち出すと、エレクトラが一つずつ理屈で否定する。結局は眉の傷跡で弟だと分かる。先行作の有名な場面を劇中で批判する、珍しい形の文学批評になっている。 (『エレクトラ』508-546(髪 524-530、足跡 531-535、織物 540-546)/ 『供養する女たち』168-234。最後の認知は眉の傷跡による(570 行台))
- 関係: sibling → orestes (三作すべてで再会の場面が劇の要)
オレステス
- 姉エレクトラとの再会で使われる「しるし」が作家ごとに違う。アイスキュロスでは墓前の髪と足跡と織物、エウリピデス『エレクトラ』ではその三つを老人が持ち出すとエレクトラが一つ一つ理屈で否定してみせ、代わりに眉の傷跡で認める。悲劇が先行作を批評している珍しい例。 (『供養する女たち』168-234 / 『エレクトラ』508-546(三つのしるしの否定は 524-546))