ギリシャ神話が語源の言葉

台風

雷を手に迫るゼウスと、翼と蛇の下半身を持つテュポン。
雷を手に迫るゼウスと、翼と蛇の下半身を持つテュポン。『ゼウスとテュポン(ヒュドリア〈水がめ〉の絵)』前550年ごろ・Public domain

英語 typhoon の成り立ちは複雑で、etymonline は複数の源が重なったと説明する。ギリシャ語 typhōn「つむじ風」は風の父である巨人テュポンの名でもあり、英語では1550年代から「激しい嵐」の意味で使われた。一方、東インドの大嵐を指す用法は16世紀半ばのポルトガル語に始まり、アラビア語・ペルシャ語・ヒンディー語で大嵐を表す tufan から来たとみられる。広東語の「大風」が形や意味に影響した可能性もあるという。tufan 自体がギリシャ語から来たとする説と、純粋にセム語だとする説がある。

近現代オンライン語源辞典

元になった神話

テュポンゼウスに最後に挑んだ最大の怪物。ヘシオドスでは、ティタンたちが追放されたあとにガイアがタルタロスと交わって産んだ末子で、百の蛇の頭からあらゆる声を発する。ゼウスは雷で焼き尽くしてタルタロスに投げ落とし、のちの伝えではシチリアのエトナ山の下敷きにされる。ケルベロスやヒドラなど多くの怪物の父でもある。