ギリシャ神話が語源の言葉

木星のトロヤ群

神々が集まった婚礼の宴に、争いの林檎が投げ込まれる。
神々が集まった婚礼の宴に、争いの林檎が投げ込まれる。ヤーコブ・ヨルダーンス(ルーベンスの下絵による)『テティスとペレウスの婚礼(不和の黄金の林檎)』1636〜1638年・Public domain

木星と同じ軌道で太陽のまわりを回る小惑星の群れ。1906年2月22日、天文学者マックス・ヴォルフが、木星の前を進む最初の一つを見つけ、アキレスと名づけられた。オーストリアの天文学者パリサが、『イリアス』の人物からアキレス、パトロクロス、ヘクトルの名を提案したのが始まりで、以後この群れの小惑星にはトロイア戦争の英雄の名が付けられ、「トロヤ群」と呼ばれるようになった。木星の前を行く群れは「ギリシャ陣営」、後ろを行く群れは「トロイア陣営」とされ、それぞれの側の人物の名を付けるのが決まりになった。ただ最初の命名のせいで、ギリシャ方のパトロクロスがトロイア陣営に、トロイアの王子ヘクトルがギリシャ陣営に入っている。NASAの探査機ルーシーは2021年10月に打ち上げられ、このトロヤ群の小惑星を次々に訪ねる予定である。

近現代NASA公式サイト

元になった神話

トロイア戦争ギリシャ連合軍がトロイアを10年にわたって攻めた戦争。『イリアス』はその10年目の50日ほどしか描かない。発端も木馬も落城も、別の詩や後代の作品が埋めたものである。