ギリシャ神話が語源の言葉

lethargy

無気力

忘却の川へ向かう人々。水に身を浸した者たちの先に、静かな林と野が広がる。
忘却の川へ向かう人々。水に身を浸した者たちの先に、静かな林と野が広がる。ジョン・ロダム・スペンサー・スタナップ『エリュシオンの野のほとりのレテの水』1880年・Public domain

英語 lethargy は14世紀後半から(当初の綴りは litarge、-th- の綴りは1590年代から)。ギリシャ語 λήθαργος(忘れっぽい)に由来し、λήθη(忘却)と ἀργός(怠惰な)から成るとされ、「忘れて動かなくなる」状態を指した。同じ λήθη に否定の a- を付けた ἀλήθεια は「真理」を意味し、語源辞典によれば、もとの形容詞は文字どおりには「隠さない」の意味だという。冥界の忘却の川レテの名は、この普通名詞そのもの。

近現代オンライン語源辞典

元になった神話

レテ冥界にある「忘却」の川(または野)。死者の魂がその水を飲むと、前世の記憶をすべて忘れる。もとは「忘却」という普通名詞で、ヘシオドスでは争いの女神エリスの子として擬人化される。川の名として定着するのはプラトン以後、とくにウェルギリウスから。