ギリシャ神話が語源の言葉

サイクロン

洞窟で羊を飼う一つ目の巨人。その足もとで、羊の腹の下に隠れて逃げ出そうとする男たちがいる。
洞窟で羊を飼う一つ目の巨人。その足もとで、羊の腹の下に隠れて逃げ出そうとする男たちがいる。ヤーコプ・ヨルダーンス『ポリュペモスの洞窟のオデュッセウス』1630〜1635年ごろ・Public domain

中心のまわりを風が渦を巻いて吹く大嵐サイクロン(cyclone)と、ひとつ目の巨人キュクロプス(英語でサイクロプス)は、名前の頭がよく似ている。どちらもギリシャ語で「円」を意味する kyklos から来た言葉で、キュクロプスは字義どおりには「丸い目」、額の真ん中に丸い目がひとつあることからの名である。一方サイクロンは、1789年12月にインドを襲った大嵐を記述するために、イギリス東インド会社の役人が1848年に作った言葉で、「円を描いて回る」という意味のギリシャ語から形を整えた。巨人から取った名ではないが、同じ「円」から生まれた、いわば遠い親戚である。

近現代オンライン語源辞典

元になった神話

キュクロプス族一つ目の巨人たち。ところが、ヘシオドスとホメロスで中身がまるで違う。ヘシオドスではゼウスに雷を作った三柱の鍛冶の神、ホメロスでは法も畑も持たずに洞窟で暮らす乱暴な牧人の一族として描かれる。