出典 · 近現代の翻案・映像化
ホメロスのオデュッセイア
デニス・ペイジ · 1955年 · The Homeric Odyssey
Oxford: Clarendon Press 刊(メアリー・フレクスナー講義)。『オデュッセイア』の成立を分析的に論じ、第11歌の冥界の光景の部分(11.568-627)などを後代の挿入とみる分離派の代表的著作。
この出典が語っていること
冥界訪問(ネキュイア)
- 後半のミノス、オリオン、ティテュオス、タンタロス、シシュポス、ヘラクレスを見る箇所(11.568-627)は、古代から後代の挿入ではないかと疑われてきた。ここだけ「呼び出した霊と語る」形式から「冥界の光景を見る」形式に変わる。アレクサンドリアのアリスタルコスがこの部分を排したと古註は伝え、キルヒホフ、ヴィラモーヴィッツ、ペイジら近代の分離派も挿入とみた。 (アリスタルコスの排斥は『オデュッセイア』古註(Dindorf, Scholia Graeca in Homeri Odysseam, II 520f.)が伝える。理由は、オデュッセウスの立つ位置から冥界の内部が見えるはずがないこと、ミノスが死者の訴えを裁くのは11.49 と合わないこと。近代の挿入説は D. L. Page, The Homeric Odyssey (Oxford, 1955) p.40 ほか。註の現物は未確認で、Rosetta 12 (2012) の Gazis 論文が示す参照に拠る)